刮目呂蒙のブログ

都内在住の30代男です。時事問題や生活改善情報から、自分の周りのことまで。たまに持病(潰瘍性大腸炎)のことも。

民事訴訟法の改正案について【電子化・IT化】

こんにちは呂蒙です。

先日の少年法改正に続いて、今日は、民事訴訟法の改正案について。

下記のとおり、中間試案のたたき台がまとめられました。今後はこれを土台にして議論されるでしょう。

法務省:法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会第9回会議(令和3年2月19日開催)

大雑把にまとめてみます。正確性はありませんので、これを鵜呑みにはしないでくださいね。

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1 訴訟記録の電子化

今は書面が冊子につづられている訴訟記録。これが原則として全面電子化されます。裁判所の事務管理システムというシステムサーバの中で管理保存されるようです。

訴状などの提出もその他の書面の送付も、原則として電子化するという前提で、例外的に紙が残る場面が議論されているようです。

一番大きいところは、裁判の一番最初、訴状を被告にどう送るか。

訴状は電子ファイルを裁判所に提出し、原告側は併せて連絡先のメールアドレス等を裁判所に届け出れば、原告側と裁判所とのやり取りは電子化できます。

しかし、被告のメールアドレスは不明。原告が知っているアドレス(宛先)を裁判所がそのまま使うかというと、訴訟詐欺などがあるのでそうもいかないでしょう。

そこで、訴状は例外的に、電子ファイルをプリントアウトしてその紙を被告の住所に送るか、訴訟提起されたよという通知の紙を被告に送って、被告にメールアドレスの届け出を促し、そのメアド経由で訴状をシステム送達(下記)するか。

被告は負け確定の訴訟では負ける時期を引き延ばしがちなので、ひとまず一方的に送りつける形のほうがいいのかどうか。

なお、いったんメールアドレス等の届け出がされた場合は、それ経由でアクセス権を付与してアクセス可能になる裁判所の事務管理システム上にアップされた送達用文書ファイルを当事者が閲覧した時に、送達の効力が生じるようです(システム送達)。当事者がさぼっていつまでも閲覧しないときは、閲覧可能になってから何日後、とかにも送達の効力が生じるようですね。

なお、送達といえば、公示送達として裁判所の掲示板に「書類を保管してますよ」と掲示する制度は廃止され、裁判所のウェブサイト等にその旨記載されるようになるようです。

 

残された課題は例えばこちら。

・本人訴訟にどう対応するか。ITが分からない人の裁判を受ける権利を奪わないようにしつつ、システム全体の利便性を高めたい。紙での訴訟手続を選択的に併置するか、それとも、例外として位置付けるか。

・裁判所のシステム不良等で訴状のシステム上の受理が間に合わなかった場合、時効の完成を阻止できるか。念のため紙で訴状を提出することを許すか。

・不正なプログラムを組んで、訴訟救助の申立てをしつつ訴訟を起こしまくる当事者の不当濫訴を防止するために、訴訟1回につき数百円のデポジット制を導入するか。

 

2 審理手続のweb化

口頭弁論が法廷で双方web会議で実施されるようになったり、

弁論準備手続や和解手続や進行協議手続が、双方web会議や双方電話会議で実施されるようになったり。

鑑定や検証などの証拠調べ手続もweb化されるようです。

3 判決書の電子化

判決書も今は紙ですが、電子化されて、裁判所の事務管理システムで送達されるようです。

4 新しい審理手続

原告と被告の双方がちゃんとメールアドレス等を裁判所に届け出た上で、双方合意又は異議がないことなどを前提として、「裁判の審理を6か月以内に限り、証拠をすぐに取り調べられるもの(疎明)に限る」などの新しい迅速審理手続ができるようです。現行の労働審判に似ている制度とのこと。

また、裁判所が当事者双方の事情等を衡平に考慮して、適切な和解を決定する、和解に代わる決定という制度も導入を検討されるようです。民事調停の調停に代わる決定や、家事調停の調停に代わる審判に似ている制度とのこと。なお、和解については、第三者の参加や、和解調書の職権送達など、細かい規定が加えられるようです。

5 訴訟記録の閲覧制限

公開で行われる訴訟の証拠でも第三者に見られたくないものは、営業秘密だけでなく、企業の独自の制度や工夫など多数にわたるようです。それを第三者に見られないように、相手方当事者が第三者に正当な理由なく開示するのを防ぐ制度(開示しない義務)を設けるようです。

 

いろいろ変わりそうですね。電子化の骨格となる事務管理システムがちゃんと動かないと困るでしょうから、そこにも注目かもしれません。

 

その他 少年法の続報とか

なお、少年法については、先日こちらの記事に書きました。

katsumoku.hatenablog.com

最近また下記のように報道されました。まだ閣議決定・法案提出の段階ですが、このまま国会を通れば、改正後の18歳・19歳は「特定少年」という呼び方になるようですね。

www3.nhk.or.jp

珍しいくらいピンチな現状を記録する【潰瘍性大腸炎】

お久しぶりです呂蒙です。

潰瘍性大腸炎の症状が悪化していて更新できませんでした。

株も私の買った銘柄ばかりどんどん下がっていてピンチです。

身体的精神的金銭的にピンチです。

そういう複合的ピンチも逆に珍しいので、今の状況をつらつらと。

 

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潰瘍性大腸炎

前に、ステロイド依存性で再燃したため現在はステラーラ(とステロイド)を使用中だということを書きました。

katsumoku.hatenablog.com

(①発覚 以降の更新ができておらず、すみません。)

 

しかし、ステラーラとステロイドの併用をやめ、ステラーラ1本に絞ってから体調が悪化し、腸内にガスが溜まって、ガスと共に少量の下痢が出るという排便が何度も続くという状態になりました。

潰瘍性大腸炎は夜就寝中に溜まった便が朝方に何度かに分けて出る関係で、午前中の容体が良くない人が多いと思いますが、再燃すると時間は関係なく、夜中にも何度も便意が来ます。治療前に戻ったかのような感じです。

入院前は、私は1日に40回くらい下痢をしていましたが、最近は再燃により1日20回弱くらいまで排便回数が増えていました。

溜まったガスが1回で出尽くしてくれればいいのに、何回かに分けて、短ければ数分おきに便意が来ます。オナラだと確信できるならこっそりオナラだけ出せばいいですが、決まって粘液や少量の下痢も併せて出ます。回数が増えるとお尻が切れてしみます。私の場合明らかな血便はないのですが、それにしてもひどい状態です。夜まとまった時間眠れないため、日中も眠くてたまりません。

そんなわけで、精査が必要ということで、最近、約半年ぶりに、人生2回目の大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けました。

事前準備として、腸内を綺麗にするため、1.8リットルの下剤を飲んで強引に下痢を出し続けるので、お尻が切れすぎて、ウォシュレットを使うと飛び上がるくらい痛くなりました。

検査の結果は、S字結腸と直腸に中等症程度の潰瘍あり。

潰瘍性大腸炎患者の大腸の画像リンクは下記。閲覧注意です。)

潰瘍性大腸炎になるとどうなるの?|潰瘍性大腸炎の基礎知識 / 治療方法 / 医療費|IBD LIFE

もっとも、半年前は盲腸も横行結腸も、全面的に潰瘍でただれていたのに、盲腸と横行結腸には、重症からの寛解を示すポリープが多数できていました。

いわば、「全大腸炎型」から「左側大腸炎型」に、一部寛解はしたというところでしょうか。

とはいえ、生物学的製剤ステラーラを使っているのに、S字結腸と直腸の潰瘍は中等症レベルで寛解していないのは大きな問題。下痢が止まらず我慢できないのも道理です。

そんなわけで、中等症以下の患者には70%という高い奏効率を誇るステラーラでも、私の潰瘍に関してはうまく寛解しなかったので、別の生物学的製剤シンポニーを始めることになりました。

シンポニーを初めて打ってから数日、まだガスの溜まり具合と下痢の回数からみて、効いている感じはしませんが、今後、投与し続けてどうなるかですね。寛解を願うばかりです。

 

珍しいくらいピンチな現状を記録する【株】

お久しぶりです呂蒙です。

潰瘍性大腸炎の症状が悪化していて更新できませんでした。

株も私の買った銘柄ばかりどんどん下がっていてピンチです。

身体的精神的金銭的にピンチです。

そういう複合的ピンチも逆に珍しいので、今の状況をつらつらと。

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自分で調べて、「今後は教育ICT、ポストコロナの鉄道株、電力需要も安定して伸びそう」と考えていました。

いつ上がるかだけが分からないものの、長期保有を考えて、購入候補に挙げていた銘柄がこちら。

 ・内田洋行、テクノホライゾン、ソリトンシステムズ、学研HD

 ・東急、西武HD

 ・東京瓦斯関西電力

しかし、その後さらにいろいろ調べるうちに、短期的な利益を得られたらいいなと方向転換。これが間違いの始まりでした。

発信力の大きい投資家の記事などを見て、EV、DXなどの銘柄に興味。

結局、買った銘柄は、高値掴みしてしまい、その後一度も(!)購入価格に届くことはなく、今は16万円くらいの含み損になっています。

上記の候補銘柄たちは、だいたい上昇していて皮肉な結果に。

含み損が大きすぎて、損切りもできない状態です。

「次は10%下がったら損切りしよう」と考えていますが、「次」に充てられる資金余力がありません。

むなしい状態です。

そんな中ですが、マイルールをいくつか決めました。

1 10%下がったら損切りする

2 狙いの銘柄はまず資金の3分の1分だけ購入して様子見をする

利益確定のルール決めもいつかやりたいですが、まだ感覚が分かりません(苦笑)。

 

【ふるさと納税】1月下旬に還付申告していたら早くも還付の通知が来た【寄付の2割返金】

こんにちは、呂蒙です。今回は、先日ご紹介した、ふるさと納税に関する確定申告(還付申告)の続編です。

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なんと、早くも還付申告書に基づく所得税の還付がされました。

すなわち、確定申告で私が記載していた還付金の振込先口座に「振り込みました」という旨の通知はがきが届きました

以前、こちらの記事で、早めの還付申告をオススメしていました。

katsumoku.hatenablog.com

この日の税務署職員の方の話では、還付まで1か月半くらいかかるという話でした。私が所得税の確定申告(還付申告)をしたのは1月下旬だったので、還付は3月上旬くらいかと思っていたのですが、なんと1か月足らずで終わりました。

還付申告は、年明け1月から可能であり、2月中旬からの本来の確定申告(納税分)よりも早めに受付開始される上、今年はコロナで確定申告の期限が4月15日まで延長されています。

それで早めに申告した人が見込みより少なくて事務が捗ったのかもしれませんね。

これでふるさと納税をした分のうち、所得税率に係る分(私の場合は20%)がさっそく返ってきたことになります。

私のふるさと納税の紹介記事はこちら。

katsumoku.hatenablog.com

この記事では、生活必需品を返礼品に選ぶふるさと納税を、「実質年利30%、1年半で払い戻される定期預金」に見立てていたわけですが、ふるさと納税をしたのがおおむね昨年12月15日ころですから、1年半どころかわずか2か月足らずで、元金の2割は返ってきたという計算ですね。

残りの8割は、今年の6月から来年5月までの給料に上乗せされて返ってきます。こちらは地道な返金ですが、楽しみに待ちましょう。

ちなみに、私がお米について行ったふるさと納税例の紹介も上記の記事に書いていましたが、私たち家族は、今は三重県明和町コシヒカリ(20kg)を食しています。舌には自信がありませんが、みずみずしくもちもちに炊けて大変おいしいと思います。

熊本県高森町からは、1月下旬ころ、「2月中旬に送ります」という連絡メールが来ました。予定どおりですが、念のためということでしょう。とても丁寧でありがたいですね。

なお、佐賀県みやき町からは、1月下旬くらいの発送かなと思っていましたが、まだ特に連絡はありません。ふるさと納税ポータルサイト等に記載された発送時期は、自治体によってはあくまで目安なのでこういうこともあります。特に、大変寄付の増える12月に寄付して年末年始を挟むと、近い発送予定のものほど、目安よりも長くなりがちです。ご注意ください。

そういう意味でも、熊本県高森町の上記メールはとても好感が持てますね。

 

 

『青天を衝け』五代様カムバックとトリ予想とか

こんにちは呂蒙です。

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『青天を衝け』五代様再び!

『青天を衝け』の五代友厚役は、ディーン・フジオカさんの再登板となったようですね。

というか実は、私が前の記事を書いた当日の昼にすでに発表されていた模様。

このニュースには接していなかったはずですが、サブリミナル効果があったのかな?

俄然期待が高まってきました。とりあえず五代初登場回は見ようと思います。

大河ドラマで同役再登板というと、やはり『秀吉』と『軍師官兵衛』の豊臣秀吉役・竹中直人さんを思い出します。

利家とまつ』『功名が辻』の前田利家役の唐沢寿明さんという人もいるかもしれませんが。

竹中さんの秀吉は、演じた時代が微妙にずれていて、『秀吉』では基本的に天下統一までを、『軍師官兵衛』では統一後の妖しくなって死亡するまでを、一貫性ある形で演じられていました。実年齢も重ねられてちょうどよかった感じでしたね。

ディーンさんは、『あさが来た』で、ヒロインあさとソウルメイトのような関係性を持つ五代の幕末から死亡までをさわやかに演じていましたが、今度は渋沢栄一の年上のビジネスパートナー?としての役柄が中心でしょうか。渋沢からみて年長のビジネスマンとしての立ち位置は、6年の時を経て渋みを増した今のディーンさんでちょうどピッタリかもしれませんね。

ただ、Wikipediaで調べた限りでは、渋沢と五代はあまり直接関わったことがなさそうにも見えます。欧州留学も五代が1866年まで(英国)、渋沢が1867年から(仏国)とずれていて、欧州での交流もなさそう。ただ、明治政府で共に役人を務めた時期があるので(五代は大阪方面が主でしたが)、そこで強い絆でも作っていてほしいところです。

ちなみに『あさが来た』では渋沢栄一三宅裕司さんでした。肖像的にはそっちのほうが吉沢亮さんより近いのは内緒です。

クレジットのトリは誰?

いよいよ『青天を衝け』は明日第1回です。クレジットのトリを務めるのがどの俳優さんなのかにも注目ですね。以下は私の期待を込めた予想です。

1 草彅剛さん(徳川慶喜役)

個人的には徳川慶喜役の草彅剛さんに期待しています。元ジャニーズのアイドルですが、早くから俳優としての才能を開花させてきた草彅さん。『僕の生きる道』のころから好きな俳優さんです。

草彅さんのトリ予想は大胆かもしれませんが、予告編での扱いの大きさ的には合っているのではと。渋沢が実業家として多大な影響を受けたと思われるフランス留学は、将軍徳川慶喜の名代としての立場で行ったもので、慶喜に見出されたと思われる点も見逃せません。

とはいえ、渋沢の人生は長い(1840年~1931年、91歳!)ので、徳川慶喜は20代の渋沢に影響を与えた一人という役割で、大トリとはいかないかも。『麒麟がくる』のトリを務めた本木雅弘さん(斎藤道三役)が現在55歳で、草彅さんは46歳。しかも本木さんは『徳川慶喜』で大河主演の経験もあった。となると、草彅さんがトリはまだ早いというのが衆目でしょうか。

2 小林薫さん(父・渋沢市郎右衛門役)

『おんな城主直虎』南渓和尚以来の大河出演となる小林薫さん。『直虎』では、松平健さん(武田信玄役)らを抑えての大トリでした。

俳優としての格と、渋沢栄一の親戚関係者の中での父親の近さ・大きさを考えると、小林薫さんが大トリで順当でしょう。ただ、渋沢栄一の父という役柄には視聴者としての思い入れはありません。個人的には歴史上の重要人物が各回のトリや大トリを務めてほしい気持ちがあります。

3 竹中直人さん(徳川斉昭役)

軍師官兵衛豊臣秀吉役以来の大河出演となる竹中直人さん。『官兵衛』では、大トリ柴田恭兵さん(黒田職隆役)の次点でした。

こちらも俳優としての格は文句なし。徳川斉昭という役どころも重厚感があり、トリっぽさは感じますが、渋沢が仕える一橋家とは違いますし、1860年には亡くなってしまい、あまり長期間関わる感じではないだけにどうでしょうか。

4 岸谷五朗さん(井伊直弼役)

『江』の豊臣秀吉役以来の大河出演となる岸谷五朗さん。『江』では、トリグループの中で上から5番目でした。竹中さんと同じく1860年には亡くなってしまう役ですが、歴史上の存在感は誰もが知る役どころだけに、可能性は十分ありますね。

日本資本主義の父として知られる渋沢栄一ですが、どんな生涯を送ったのかはあまり知られていないのではないでしょうか。私もよく知りません。

明治の殖産興業の一翼を担った大人物なだけに、描き方次第ではすごく面白くなる可能性もありますね。

脚本は『あさが来た』の大森美香さんで、この時代の面白い作品を書いたことがあるというのは大変期待が持てます。もっとも、朝ドラと大河の違いもあって、もしかするとご本人がすごく悩まれるかもしれません。

すごい地震が来た

現在23:09、東京に強い地震が来ました!吊り下げ型の蛍光灯が激しく揺れています。

最初縦揺れから来て嫌な予感がしましたが、マンション9階の遠心力だけではないでしょう。どこか大きな被害がなければいいのですが。

どうやら東京23区は震度4だったとのこと。もう少し大きく感じました。

いまニュースを見ると、福島県ほかで震度6強だったと。去年まで福島に住んでいたので大変心配です。被害がありませんように。余震にもご注意ください。

【18歳成人】少年法の改正【来年4月から】

こんにちは呂蒙です。今回は法改正の話を紹介します。

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昨秋ころに少年法の改正が報道されました。他には、大きいところでは民事訴訟法の改正も進んでいるみたいですね。それはまた別途取り上げられればと思います。

少年法の改正

少年法の改正は、簡単にいうと民法で令和4年(2022年)4月から成人年齢が18歳になることから、いまは20歳未満とされている少年法の適用年齢(「少年」の年齢)も17歳未満にするかどうか、18歳以上は大人と同じ手続でいいのかどうかが焦点となっていました。

少年法を適用する場合は、匿名・非公開で、家庭裁判所調査官に犯行の動機や背景にある生活状況等の調査を受け、さらに必要であれば少年鑑別所に送られて専門家の鑑別を受け、それに基づいて家庭裁判所の審判で保護処分(保護観察や少年院送致など)を受けるというのが基本になります。

これに対し、適用しない場合は、大人と同じように刑事手続になり、地方裁判所などに起訴されて公開の法廷で裁判を受け、有罪になれば懲役・禁錮・罰金などの刑罰が下されることになります(もっとも、刑の執行が猶予されたり、さらに猶予期間中保護観察になったりもします。)。

産経新聞などの報道では、成人になる18歳以上になれば普通の刑事手続で罰を受けるのが当然だろうという論調だったかと思います。

一方、少年犯罪にかかわる弁護士グループや、家庭裁判所調査官OBのグループなどは、18歳、19歳の人にも引き続き少年法を適用していくべきだという主張が多かったようです。その根拠は大きく2つあるようです。

1つは、18歳、19歳の子も、特に少年犯罪を起こすような子は精神的にも未成熟で生活環境もよくないところ、しっかり心理的動機や社会環境の調査をし、本人や家庭の問題を解明して周囲の資源を有効活用し、更生への環境を整えてあげれば、大きく変われる可能性(可塑性)も秘めており、実際にこれまでの実績としても更生・社会復帰の支援につながっているということ。

もう1つは、刑事手続に乗せることが必ずしも厳罰化にはならないということ。つまり、18歳や19歳で、生活環境的には根深いけれどもそんなに重くない犯罪を犯した場合(特に初犯の場合)、少年法であれば必要に応じて長期にわたる保護観察などもできるけど、刑事訴訟法だと検察官が不起訴にする可能性が相当あって、かえってあまりフォローもないし、本人にとって負担となる面倒事も少ないということのようです。

 ※検察官が不起訴にした人の福祉的支援として、更生保護施設等に繋げるなどの場合もあるようです。

www.moj.go.jp

どちらが正しいのかはなんともいえないところですが、下記の報道によると、「折衷案」とありますが、基本的には18歳、19歳にも少年法的な手続を引き続き用意するということで落ち着いたようですね。

www.nikkei.com

改正の要諦

 ①18歳、19歳の子たち(呼称は未定のようです)も、犯罪を犯したら原則として全件家庭裁判所に送致

 「ぐ犯」つまり犯罪は犯していないけれども、素行的に今後の犯罪のおそれが非常に心配される子たちについては、18歳以上の場合、今後は家庭裁判所の事件にならないということで、ここは保護の対象が縮小したようです。民法的には成人になる人たちについて、犯罪はしていないけど素行が悪いというものまで国が保護矯正しようとするのかというあたりが引っ掛かったのかもしれないですね。

 ②18歳、19歳の子たちの犯罪事件について、原則として検察官に送致(逆送)する類型を拡大

 現行法は逆送の対象を殺人罪傷害致死罪など故意に人を死亡させた場合に限っていましたが、罰則が短期1年以上の懲役又は禁錮にあたる罪に広げるとのこと。これによって、強盗罪や強制性交罪などが原則逆送事件に加わります。

 強盗罪というと、例えば、自転車のひったくりをしようとして荷物を引っ張ったら被害者が転んで擦り傷を負ったとか、安い商品を万引きをしたところ被害者や第三者から捕まえられそうになり、とっさに逃げようと体をよじったら相手を倒して軽い怪我を負わせてしまった事件なども、理論的には強盗(事後強盗)になりますが、そういうものまで逆送になると少年の保護を薄くしないか心配だという意見が出ているようです。例外の運用は家庭裁判所に任されているので、立法者が心配なら、どういう場合が例外に当たるのかを立法過程で審議しておくといいのかもしれませんね。

 ③将来の社会復帰を妨げないように本名や顔写真などの報道を禁じる規定も見直し、18、19歳は起訴(略式を除く)された段階で解禁

 現行法は、少年(20歳未満)の時に犯した犯罪については、少年審判はもちろん、逮捕などで事件になったのが20歳以上になった後である場合や、家裁の手続中に年齢が20歳を超えた場合や、逆送されるなどして、その後刑事裁判手続になっても、本名や顔写真など少年を推知させる報道を禁止する規定がありました。それが今後は、18歳、19歳で犯した犯罪についてその後(逆送されるなどして)刑事手続となって起訴された場合には、その段階で、現在の成人と同様に、本名や顔写真などが報道されるようです。

 ただ、起訴された後の刑事裁判でも、「やっぱり家庭裁判所少年法に基づく保護処分を受けさせたほうがいい」と判断された場合には、家庭裁判所に再送致される余地があります。その場合、すでに本名や顔写真などが報道されていることが更生の妨げにならないか心配という意見が出ているようです。難しいところですね。そういうふうにならないように、最初に事件の全件送致を受ける家庭裁判所が、逆送相当なのかしっかり検討しないといけないということでしょう。

改正の下案を作った人

今回の改正は、中央大学の佐伯仁志教授らの検討チームで下案が検討されたようです。

佐伯教授といえば東京大学の刑法の先生だと思っていましたが、もう定年退官されて、2020年4月から中央大学の先生になっておられたんですね。

私が大学生の時は、まだ東大の若手の先生というイメージでした。法学部だったので、刑法の勉強で論文を拝読したりしていました。「刑法総論の考え方・楽しみ方」だったかな。懐かしいですね。

すごくバランス感覚のいい先生という印象でしたので、今回の少年法改正の「折衷案」も、3年半かかったということですが、お人柄でまとめ上げられたのかもしれません。佐伯先生のご検討なら、基本的に大丈夫だろうという印象があります。すごいことです。

 

今後の大河ドラマについてとか

こんにちは呂蒙です。今日は今後の大河ドラマについてとか。

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麒麟ロス

相変わらず『麒麟がくる』ロスの喪失感に悩まされております。

今後日曜日の夜はどうすればいいんだ!となっています。

主に染谷将太さんの織田信長に会えないのがつらいです。本当に見ごたえのある信長でした。声の出し方とか惚れ惚れしていました。あと、私が染谷さんの演技を初めて見たというのも実は大きいかもしれません。明智光秀長谷川博己さんは『小さな巨人』その他で見たことがあったので、私には「光秀」より先に「長谷川さん」だったんですが、染谷さんに関しては「染谷さん」より先に「信長」でした。今井宗久とかも、まず「陣内孝則さん、宇喜多直家以来やな」って感じでして、この辺は私の加齢による感受性低下の影響が大きいかもしれません。

それから書き忘れていましたが、信長と対立してからの足利義昭滝藤賢一さんがすごくいい味を出していました。顔を歪ませた苦々しそうな演技が本当に上手でしたね。

今後の大河ドラマ

 青天を衝け(2021年)

渋沢栄一を描いた次回作『青天を衝け』を見る気は今のところあまり起きません。

最近坂本龍馬西郷隆盛もやったし、会津もやったし(綾野剛さんの松平容保よかったですね)、長州藩の志士たちもまとめてやっちまいました(違)し、篤姫徳川慶喜新選組もやったので、幕末はネタ切れなんでしょうか。しかしなぜに渋沢栄一。一万円札もそうだけど、だいぶ地味です。

渋沢の有名な著作『論語と算盤』は冒頭だけ読みましたが、商売人としてかなり都合の良い論語の読み方に見えて、ちょっと肌に合いませんでした。結構根性論の人でもあり、今の時代に合うのかどうかですね。でも作るなら現代風のアレンジは要らないので、ありのままに描いてほしいですね。それかビジネスドラマなら半沢直樹とかハゲタカとかリアリティーある感じでお願いしたい。

なんか主人公が誠実実直かつ家族を大事にしていたらいっぱい会社ができました、みたいなのは勘弁してほしいところ。少なくとも吉沢亮さんはイケメンすぎて全然違うような。五代友厚がまたディーンフジオカさんだったら見ます。『あさが来た』以来の再登板に期待です。

 どうする家康(2023年)

次の戦国大河は2023年の『どうする家康』。もちろん徳川家康はいいんですけど、タイトルがなんか不安なのと、松本潤さん主演……。家康というと『真田丸内野聖陽さんが圧倒的だったし、『麒麟がくる風間俊介さんも好演していたので、ちょっと心配です。家康のイメージは全然ないです。

それにしても『おんな城主直虎』を含めると、最近徳川家康多くないですか。軽く食傷気味ですが、2年挟んだらまた食べたくなるんでしょうかね。それでももう築山殿(・信康)やら豊臣秀吉やら石田三成やらでどうするこうするは軽くでいいので、個人的には石川数正とか結城秀康とか松平忠輝に期待したいですね。家康に雑に扱われ、嫌われ続ける息子結城秀康松平忠輝とかね。そういう生々しいのが既に嵐松潤主演ということで好感度的に出来なそうなのが、可能性を狭めてて嫌だなと思うのですが、予測をいい意味で裏切ってほしいですね。家康には奥さんもたくさんいて子だくさんで、みんないい妻子だと、まるでつまらないし非現実的なわけです。ヒロインはどうするんでしょうね。それから直江兼続とか真田昌幸・信繁とかはいくら食べても飽きませんので存分にお願いします。忠輝をちゃんと描くなら伊達政宗も必須ですが、家康シンパの最上義光とかもしっかり描いてあげてください。

 鎌倉殿の13人(2022年)

それよりも時代的には面白いのか懸念がありますが、当面は2022年の三谷幸喜作『鎌倉殿の13人』に期待するしかありません。こちらは『真田丸』から再登板早いですね。天才三谷幸喜先生ですから、コメディ路線が強すぎなければまず間違いなく面白いでしょう。北条義時役の小栗旬さんが主演。源頼朝大泉洋さんですごく意外。頼朝が真田信之みたいにぞんざいに扱われるのは想像できません北条義時の前半生は源平合戦治承・寿永の乱)と源義経。それから源氏3代の将軍。ラスボスは後鳥羽上皇でしょうか。法然とか栄西も絡んできそうですね。

麒麟ロスの喪失感の原因

それにしても、『麒麟がくる』はスピンオフの話もあるとか(主演の長谷川博己さんが言及、脚本の池端俊策先生は否定)。喪失感に苛まれているので、是非お願いしたいが、信長のいない今後の話(そうなると光秀=天海になってしまう)ではなくて、信長を含めて描き損ねた過去話がいいですね。

これほどの喪失感の原因は、たぶん最後のクライマックスが駆け足だったからでしょう。11か月(中断含む)かけてずっと土台を作り続けて、最後の2か月で一気に終わってしまいました。土台をしっかり見た分、せっかくできたこの人間関係を基にして、もっと時間を掛けて、メインを厚く描いてほしかったという気持ちが喪失感につながっています。

いくらなんでも、最終回のひとつ前の回で1579年から一気に1582年になるとか。明智光秀にとって大変苦しい戦いとなった丹波攻めはほとんどナレーションだけでしたし、四国の関係は一言だけでした。光秀絶体絶命のピンチを寡兵の信長が救った天王寺の戦い(『麒麟』では逆に軽装で前に出て負傷した信長を光秀が救ったように描かれた)とか、光秀と信長の友情物語にしても史実を基にしてもっと描けるものはあったはず。やっぱり桶狭間までとか、駒の丸薬とか、前置きが長すぎましたね。1560年の桶狭間の戦いが第21話で、全44話なのでほぼ半分。1573年の足利義昭追放が第36話(12月13日)。最後の9年は8話(2か月弱)しかありませんでした。コロナの中断がなかったらあと6話あったところで、それだと後半の手厚さが全然違ったでしょう。重ね重ね残念です。