刮目呂蒙のブログ

都内在住の30代男です。時事問題や生活改善情報から、自分の周りのことまで。たまに持病(潰瘍性大腸炎)のことも。

将棋の第4回ABEMAトーナメントのドラフト会議の結果を予想する

こんにちは呂蒙です。

将棋の第4回ABEMAトーナメントが間近ですね。

このトーナメントは前回からプロ棋士による団体戦となり、超早指しのフィッシャールールを採用していて、とてもエキサイティングな魅力あふれる棋戦となっています。

非公式戦ながら賞金も相応に高く、棋士たちは慣れない団体戦で和やかな雰囲気を醸し出しつつも、勝敗にはきっちりこだわってくれて、とても面白いです。

前回は、永瀬拓矢王座率いるチーム永瀬(バナナ)が優勝しました。永瀬拓矢王座、藤井聡太二冠、増田康宏六段という俊英ぞろいで、チーム結成当時から優勝候補でした。

準優勝は、渡辺明三冠率いるチーム所司一門。また、佐藤康光会長率いるチームレジェンドも、森内俊之九段の活躍もあり、いいところまでいきました。チームレジェンドは、佐藤康九段(永世棋聖)、森内九段(18世名人)、谷川浩司九段(17世名人)の超豪華な顔ぶれで、往年のファンを大いに楽しませてくれました。

 

さて、今年のドラフト会議が3月27日(土)に迫っています。

今年は、選ぶ側に藤井聡太二冠と羽生善治九段が入っていることが大きな目玉です。藤井聡二冠は去年は無冠でB級2組でしたから、まだ選ぶ側にならなかったところ。また、羽生九段は、おそらく棋士を選別する立場にならないような配慮か、サイバーエージェント藤田晋社長が選ぶドリームチームの一員になっていました。羽生九段が弟子を取らないのも、弟子を取れるとしてももちろん限度があるところ、ある人を選ぶことで、選ばなかった人(の可能性)を切り捨てたように見られたくないからで、その人の可能性を奪わないようにという配慮からだそうです。偉ぶらず自然体でありながら、人からの見え方は分かっていらっしゃる。さすがだなと思います。

今年は、そんな羽生九段も、プロ棋士を選ぶエンターテインメントであればということでしょうか、ドラフト会議に参加してくれるということで、ファンとしては楽しみが増えました。

 

先んじて、選ぶ立場の棋士たちのインタビュー記事も上がっています。それらも適宜参考にしつつも、自分の希望も込めて、チーム編成の予想をしてみたいと思います。気軽に見ていただければ幸いです(敬称略)。なかなか年長の棋士は気を遣うので指名しにくいとは思いますが、そのあたりは思い切って無視してみます。

 

渡辺明 → 阿久津、大橋

 「何かしら縁のある棋士を指名する」「脳が年齢で衰えるのか実験したい」

  ∵前回とは違うチームかなと。同年代の阿久津と、脳年齢の話をしそう。

②豊島 → 近藤、都成

 「若手から同世代くらいを中心に考えている」「楽しく指せるチームがいい」

  ∵豊島と世代の近い強豪を挙げてみた。全員藤井聡に勝った経験あり。

③広瀬 → 森内、屋敷

 「縁があるチームで、出来上がったら『おお』となる」「予想しにくい指名」

  ∵森内とは同門。屋敷とは出身地の縁(北海道札幌市)。

④佐藤康 → 山崎、佐藤紳

 「森内さんや久保さんが競合するかも」「もう少し我々の世代も選ばれる」

  ∵レジェンドチームと同様、話題性重視。独創的な将棋とキャラ。

⑤佐藤天 → 深浦、戸辺

 「年上の先生も視野には入れている」「仲良く楽しく、勝負は真剣に」

  ∵かたや粘り強い九州男児の先輩。かたや最近よく指す振り飛車党の人格者。

⑥羽生 → 松尾、中村太

 「アグレッシブな構成に」「違う年代の人を指名します」

  ∵松尾は羽生研仲間。中村太はタイトル戦で羽生と3度激戦を展開、攻め将棋。

⑦糸谷 → 澤田、大石

 「意外と個人適性が強いルール」「最後まで戦い抜くのが目標」

  ∵同じ森信雄門下の若手強豪を指名。

⑧三浦 → 阿部健、丸山

 「自分の気持ちが楽な方」「漠然と2人、人間関係とかもある」

  ∵阿部健は共著あり。丸山は三浦の不正疑惑(後に完全に白と判明)の際、真っ先に嫌疑はない旨のコメントを出した。当時は感動したもの。

⑨稲葉 → 郷田、増田康

 「実績を残された先輩方はさすがだった」「経験値、若さとバランスを」

  ∵人間関係は不明。実績を残しそうな経験値ある先輩と、若い強豪。

⑩菅井 → 久保、藤井猛

 「指名したい人はいるが先輩でちょっとしにくいかも」「1人は決まり、もう1人は去年指名がなかったのが不思議な人」

  ∵「決まり」の方は久保でたぶん異論なし。もう1人は「指名しにくい」とは思えないが、願望も込めて。

⑪斎藤慎 → 佐々木大、高見

 「初対面でも優勝を目指せるチームを」「初出場の人も選びたい」

  ∵優勝を目指すとして選ばれそうな若手強豪から2人。

藤井聡 → 伊藤匠、服部

 「世代が近い人を」「おそらく被らない」

  ∵同世代は伊藤匠のみ。あとは若い順に、伊藤とのつながりも見て。

⑬永瀬 → 鈴木、佐々木勇

 「自分の中でかなり実力が上位の方を選びたい」「少しでも気心が知れていた方が」

  ∵鈴木とは事実上の師弟関係。佐々木勇との仲の良さは有名。

⑭木村 → 村山、横山

 「B1だと当たる可能性があって気を遣う」「ベテランでも安定した成績ある」

  ∵村山とは羽生研のつながり。横山は40歳だが安定した成績のベテラン。

 

どうでしょうか?個人的な縁の有無は、同門とか研究相手として知れ渡っているとか、あるいは共著があるとかでないとまったく分かりません。

それに、関東・関西のつながりをどの程度重視するのかも分かりません。

ですので、菅井八段などかなり明確に予想ができる人もいましたが、曖昧な人のほうが多いです。いずれにしても、まずはドラフト会議が楽しみですね。

緊急事態宣言解除後の見通しとか

こんにちは呂蒙です。

一都三県の緊急事態宣言が21日で解除される方向に。

理由は医療提供体制の回復とのことで、もともと日本はこれがずっとボトルネックですから、論理的ではあります。

ただ、東京の感染者数は、宣言中にもかかわらず、昨日、1か月ぶりに400人を上回ったとのこと。

また、宮城県は、Gotoイートキャンペーンをやっていたところ、1月並みの感染者数に増加してしまったようで、急遽新規の販売を中止にしたとか。

宣言が解除されると、たとえ蔓延防止等重点措置(一部では「マンボウ」と呼ばれているとか)で同じような自粛要請や時短要請をしても、タガが外れたように飲食店の利用が増えそうではあります。そして増加ペースに戻るかも。なにしろ、変異株はイギリスも南アフリカも感染力が高そうということですしね(フランスではもう新規感染の大半が変異株だとか)。

政府は、いま拡大がみられる変異株(たぶんイギリス→南アフリカの順に拡大中でしょう)の注視をするため、従来5~10%程度だった遺伝子検索の割合を40%くらいまで高めたいとか。とはいえ、もはや少なくともイギリス型は、変異種の淘汰の過程(95%くらいは淘汰されるとも)をかいくぐって蔓延方向に向いているのでしょう。

宣言解除後は、当面、主にイギリス型のことを指すであろう変異株の拡大を恐れながら、何か政府が新しく言うまではみんな傍観していくようなことになりそうです。

そして、従来のワクチンが効きそうなイギリス型はともかく、南アフリカ型が蔓延すると、これは明確にアストラゼネカ製ワクチンは効かないらしいですし、J&J社などのワクチンも、効きが弱いことが分かっているようです。効きが弱くても一定以上の抗体ができれば同じ効果になるという話もありますが、その一定以上を超えているかどうかはまだ不明。

長期的に見れば、南アフリカ型やそれに似たブラジル・フィリピン型などが蔓延しだすと、ワクチンへの期待も弱まって、先行きがまた暗くなるかもしれません。

RNAワクチンは、容易に作り変えられるのが特徴ともいいますので、うまく変異型の発症率も9割抑えられるようなワクチンを作ってほしいところですね。

ニュース報道には、是非、特徴の全然違うイギリス型なのかそれ以外なのかの区別をした報道をお願いしたいですね。

 

 

 

 

今月の学びのまとめメモとか⑤

こんにちは呂蒙です。

またまたまたまた、この1か月で学んだことのまとめメモです。

 

・この3月施行の会社法改正でいろいろ変わるらしい

 ・取締役の報酬の「決定方針」について、取締役会で決めることが義務化

  取締役つまり会社の社長以下経営陣の報酬といえば、自分たちで決めると高くしすぎるよねという問題(お手盛りの問題)があるからってことで、会社の持ち主である株主たちが株主総会で決めようね、というふうにされている。

  ただ、経営陣の役員報酬の総額さえ決まっていれば、あとは役員たちの中で分配してくれればよく、お手盛りの問題にはならないということで、株主総会では総額を定めればOKとなっていた。

  とはいえ、日本の会社の役員報酬アメリカなんかよりだいぶ安いといわれている。役員は激務で責任も大きいのに、報酬が安いままではやる気が出ないし、いい人材も確保できにくそう。そこで、役員たちのやる気を高めるために、役員たちが「取締役の報酬の決定方針」について取締役会で決めて、これを株主総会にかけて承認を取れたなら、その方針に沿って仕事を頑張って成果を出すことで、よりよい報酬をもらうことができるようにしようというような改正みたい。株主たちも、株主総会で決めた方針どおりなら、透明性がちゃんとあるから文句もないよねということか。

 

 ・会社補償の明文化・明確化

  会社役員には、その職務の執行の影響で損害を受けた株主など第三者から、損害賠償請求を受けるリスクがある。責任があれば個人として賠償金や和解金を払わないといけなくなるし、そうでなくとも弁護士を雇ったりして費用が高くついたりも。会社補償というのは、こういった役員の賠償金和解金や弁護士費用などについて、会社が肩代わりすること。改正会社法は、会社補償を契約で決めておくことができる場合を定めたようだ。

  あまりこういうことをすると、役員が会社にリスクを負わせて自分の利益を図ることをしかねないので、会社補償契約をするには株主総会の承認が必要であるとか、役員に悪意又は重過失があるときなどには補償しないことなど、モラルハザード対策も盛り込まれているようだ。実際どんなふうに使われていくのだろうか。海外から腕利きの経営者を連れてくるような場合かな?

 

 ・上場会社等の社外取締役義務付けなど

  経営に第三者の目が入り、コンプライアンスが高まるように見えることから、社外取締役を入れる会社は増える一方のようだが、会社法で上場会社など(公開会社かつ大会社)については、普通の取締役会設置会社でも、とうとう社外取締役の選任が義務化までされたようだ。選任しない合理的理由の説明というのがあれば要らないというが、あまり想定されていない様子。

  ついでに、社外取締役が会社の内部業務の一部(内部通報への調査など)を執行しないといけないとなったときに、そういう経営そのものとは関係ない(むしろ第三者の目に適した)業務の執行でせっかくの社外性がまるまる喪失してしまう心配があったので、社外性喪失の例外を定めたらしい。親子会社も含めて、会社の業務執行をしたら社外性がなくなるよということになってきたようだが、少し変わるようだ。

 

 ・社債権者集会での元利金の減免を可能に

  もうこのあたりは専門的すぎて実際どうなのか分からないが、この今までできなかったのか?というような改正もあったみたい。

 

 ・10を超える株主提案(議案)の株主通知の拒絶

  株主総会もいろいろで、テレビでは阪神などの野球チームに関する質問などが取り上げられたりするが、小規模な会社では親族間の骨肉の争いになっていたりもするという。それなりの株式を有する一定の株主(親族株主の多くが該当)には、株主提案ということで議案の提出などが認められているが、ものすごい数の議案を出されたりすると、進行する方の対応も大変になる。10個を超える議案については、株主に、議案の要領を通知しなくてもよくなるという。そうすると議案の数の数え方が問題になるので、そこも改正法は定めているそうだ。

 

・地域密着型金融機関の評価指標と貸出先の掘り起こしなど

 預貸率

  地域密着型金融機関と言えば、信金(信用金庫)とか、第2地銀などか。農協とかもそうかもしれない。

  金融機関の重要指標といえば、もちろん自己資本比率が財務健全性の指標。要するに、総資産の資金調達方法のうち、負債(借金など)でない割合のことだ。手持ちの資産がほとんど借金ばかりの金融機関に預金するのは危ないということで、なるべく自分のお金(自己資本)で資産を構成しましょうという規制があるわけだ。

  もっとも、どこも自己資本比率規制は守っているのが前提。そのうえで、経営的にうまくいっている金融機関を表す指標は何か。

  その一つが、預金額、貸出金額と、それらの比率である預貸率(貸出金額÷預金額)だという。それぞれの額は経営の規模を表す。これは地域によって違うから、大きければ大きいほどいいともいえないかも。しかし、預貸率は、もちろん限度があることを前提として、基本的には高いほうがいいようだ。それだけその金融機関が、審査に通った貸出先を確保できているということになる。いい貸出先があれば、貸付金利でより儲かることができるというわけだ。

  もちろん、審査基準をゆるーくして、危ない企業にも貸し付ければ、見かけ上は預貸率が上がるものの、当然焦げ付きが増えて、まわりまわってその金融機関の経営が危うくなる。したがって、高い預貸率がよいとされるのは、貸出金額の大半が「いい貸付先」であることが前提だ。

  そうしてみたとき、地域の信金の預貸率は、一説によれば50%程度が業界平均だというし、コロナ禍では給付金が配られたり企業が安全重視の経営のため投資を控えて流動資産を確保しようとしたこともあって、昨年6月ころの国内銀行の預貸率は過去最低の63%だったという報道もあった。

www.nikkei.com

  そんな中、例えば西武信金は預貸率71%(一時期は85%もあったとも)など、かなり勝ち組信金であったらしい。

 

 貸出先の掘り起こしとM&A

  コロナ禍もあって事業承継型M&Aが活況だという。先の見えない時代、経営者自身が高齢になったとか、後継者不足などもあり、事業を起こしたものの、誰かに(高く)事業を買ってほしいというニーズが多いようだ。

  買う側も、一から事業を起こすよりも既にある事業を買うほうが早く、高確率で事業のリターンを得ることができるかもしれない。買うほうにもメリットがある。もっとも、多くの場合、お金がある人が買いたいと思わないとこの取引は成立しないというのが特徴で、要するに値段を決めるのは買い手側の力が大きいようだ。

  それはともかく、信金などの地域密着型金融機関としては、融資先かつ定期預金も入れてもらっているいいお付き合いの会社が、後継者不足など経営ノウハウとは違う理由で事業をたたんでしまい、収益機会を失うのは困るだろう。できれば、相続紛争になって会社がガタガタになる前に、息子でもめぼしい従業員でもいいので、事業承継して経営を継続してほしい。それに、その地域のたいていの企業のことは、儲けのしくみの部分も含めてかなり詳しい知識と人付き合いがあったりする(自分でその経営者の代わりができるような銀行マンは少ないかもしれないが。)。そこで、M&Aの機会をうかがう売り手と外部の買い手とをつなぐ役割も担えるはず。ということでそういう宣伝するのは自然な成り行きとなる。つなぐついでに、買い手の資金調達も手伝うし、売り手側の元社長に入った資産の運用も任せてもらいたい。ついでに相続相談もしてしまいたい。買い手企業とはまた末永いお付き合いに入りたい。

  そういう観点で、事業承継セミナーなどを開催して関心のある人を集めたりしているのかもしれないとみると、少し世の中のことを深く知った気持ちになる。

 

 M&Aのこと補足

 はっきり言ってよく知らない世界だが、M&Aについても少し勉強したのでその備忘録として書く。

 ・M&Aは基本的にシナジーを狙うが、統合プロセス(PMI)のリスクは常にある。買収側は、買うことでどうしたいのか明確なストーリーを描いたうえで、業務統合のための強い体制づくりを最優先にすべき。

 ・買った後も、前社長らにサポートを求める機会は意外とある。トップ同士がお互いに信頼関係とリスペクトをもって接することができないと失敗しやすい。前社長のプライドを傷つけないように注意する。

 ・いくらデューデリジェンスをしても防げないリスクはある。例えば、業種によっては未払い残業代が思いのほか膨らむこともある。影響力の強い従業員が請求したりすると、他の従業員へも波及したりする。表明保証や売価への反映など、リスクを移転する方法はあるが、値付けには問題が顕在化する確率の見立て(主観)がどうしても入り込む。最後は決断の問題なるが、買い手は過小評価しないこと。

 ・中小企業を買う場合、コンプライアンスのリスクは常にある。細かい経理処理の問題から、業法違反の疑いや、偽装請負などの重大な脱法などまであり得るので、どのあたりまで許容するか見定める必要がある。買わない勇気も必要。

 ・売り手側の連帯保証契約の解除ができるかどうかは、経営者保証ガイドラインによれば基本的には可能だが、貸し手によって条件が違う場合がある。どんな手続が必要になるか慎重に検討する。

www.chusho.meti.go.jp

 

 ・売主側の株主が経営に関わりない親族名義になっていることがかなりある。株式の家族信託も一部では使われている。きちんと株式を買い集められるのかどうか見極めて、株式売買の形を取るのか、事業譲渡にするのかなど、スキームを使い分ける。

 

 

まだまだ、学びメモが続きます。

今月の学びのまとめメモとか④

こんにちは呂蒙です。

今回も引き続き、この1か月での学びのまとめをします。

 

・「業務妨害」の罪 (何が「業務妨害」に当たるかの限界は不明確)

 刑法に業務妨害の罪というのがある。威力、偽計によるものと、電子計算機損壊等によるものが定められている。かなりふわっとした規定に見えるので、これらの適用範囲を感覚的につかみたいと思った。

 何が「威力」なのかは、一応、「客観的に被害者の自由意思を制圧し得る勢力」という定義らしいが、目に見える方法での妨害がかなり「威力」に含まれているようにも見える。

 「偽計」も、「人を欺き、あるいは人の錯誤や不知を利用すること」というようになっているが、目に見えない方法での妨害が広く含まれているようにも見える。ただし、軽犯罪法に「悪戯」(いたずら)による業務妨害罪があるので、いたずらに分類されるような小賢しいものは「偽計」には当たらないようだ。

 業務妨害罪という犯罪を作って守ろうとしているものは、「人の業務活動の円滑な遂行そのもの」だと理解される。もしこれを「人の業務遂行の自由」というふうに考えると、自由な活動自体を妨害はしていないけれども業務に影響が出るような妨害行為には適用できないからだ。

 業務というと会社のような営利目的の継続的活動が想定されるが、継続性がある又は予定されている限り、非営利の事務や事業でも業務に含まれるらしい。ただし、公務執行妨害罪との関係で、「強制力を行使する権力的公務」の遂行については、業務妨害罪の「業務」から除かれるようだ。その限界についてもかなり細かい議論があるようだ。

 どの程度妨害したら犯罪になるか。これは、「どういう業務」の妨害とみるかで違うようだ。裁判例を見てみると、かなり具体的な業務内容を想定したうえで、その遂行が妨げられる危険があった、というように把握して、要するに業務妨害の「危険」があれば既に犯罪だという。

 これに対して、学説を頑張ってみてみると、抽象的な業務を想定したうえで、その遂行が現に妨害された、というように把握して、要するに業務の現実的な妨害(侵害)がないと犯罪にならないという。

 結論はあまり変わらないようにも思える。実際は裁判例のように使われているわけだから、具体的業務の危険犯というふうに考えればよさそうだ。

 ・電子計算機損壊等業務妨害

 なお、「電子計算機損壊等業務妨害」という犯罪もある。「損壊等」とはいいながら、かなりいろいろな行為類型が含まれている。

 業務用の電子計算機の

 「損壊」、「虚偽の情報」の入力、「不正な指令」の入力、「その他の方法」

により、

 電子計算機の使用目的に

 沿う動作をさせず、又は沿わない動作をさせて

業務妨害をした

というもの。

 「偽計」との限界が問題になる(刑の重さが電子計算機のほうが重いため)が、コンピューターが用途と違う動作をして業務が妨害されたら電子計算機損壊等業務妨害罪で、その間に人の錯誤や不知が介入して業務が妨害されたら偽計業務妨害罪なのかな、とひとまず整理しておくことにする。

 

・信用毀損とは (名誉毀損と比較)

 ところで、偽計業務妨害の罪と同じ条文に、信用毀損罪の条文がある。同じ条文だが、守ろうとしているものは違うというふうに理解するらしい。

 つまり、信用毀損の方は、「経済的側面における人の社会的評価」を守ろうとしているという。

 「信用」というと、狭い意味では、「その人がお金を返せるかどうか」というだけだが、広い意味では、例えば「その人の売っている商品の品質に問題がないか」なども信用といえば信用だ。この信用毀損罪は、広い意味の「信用」を保護するものらしい。

 ただし、この信用毀損罪が成立するためには、「虚偽の風説を流布し」たといえなければならない。ここが名誉毀損罪と違うところだ。

 名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の社会的評価を低下させれば、「その事実の有無にかかわらず」成立してしまう。そして、「その事実の社会的摘示は公的な利益を図るためです」、「そしてその事実の内容は真実です」などと証明することができれば(あるいは真実だと思ったことに相当の理由があれば)、ようやく犯罪が成立しなくなる、という構造になっている。

 これに対して、信用毀損罪は、その風説が「虚偽」だといえないと、そもそも犯罪が成立しない。

 人の人格的評価に比べた経済的評価に対する刑法の態度が見えるかのようだ。もしかすると、経済的評価のほうが、もともといろいろ言われても仕方のない社会的活動であり、より自由な批判にさらされるべきだということかもしれない。

 「虚偽」の風説とは、「確実な資料・根拠がないこと」だという学説や裁判例もあるようだが、それだと、実は真実だと後からちゃんと分かった風説の流布が、その時は「虚偽」だということにされてしまう。かといって、「断定できないことを断定した」という限りだとすると、断定口調でない限り何を言ってもいいことになりかねない。嘘を嘘だと証明するのは難しいことがあるから、この犯罪の限界は実は難しいように思う。とりあえず、裁判例があるなら、「確実な資料・根拠がないこと」をもって「虚偽」だと認定される可能性があるという感覚をつかんでおきたい。

 「流布」というのは、結局不特定又は多数の人に知れ渡るような発信の仕方のことらしい。ネット社会では、よほど特定少人数のクローズドなアプリ内のみなどでない限りは、基本的に「流布」に当たり得ると思ってよさそうだ。

 

学びのまとめメモ、まだまだ続きます。

 

今月の学びのまとめメモとか③

こんにちは呂蒙です。

この1か月で学んだことのまとめメモ、第3弾です。

 

粉飾決算の手法は資産を増やすか負債を減らす→事業性分析で馬脚を露す

 簿記の原則は要するに貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)に共通の「借方=貸方」の恒等式

 そこで利益を水増しするために無理にPLの収益(貸方)を増やそうとしたり、費用(借方)を減らそうとしたりすると、恒等式を成り立たせるために不自然にBSの資産(借方)を増やすか、負債(貸方)を減らすしかない。

 例えば、PLの売上(収益)を水増しするためには、BSの売掛金(資産)を増やすとか、棚卸資産=在庫(資産)を増やすとかになる。売掛金は目に見えない債権なので、書類の偽造で比較的容易に作り出せてしまうため、原始的な手法といえる。在庫の膨らましとしては、回転売買などがある。同じ商品を複数の事業者間で回転させて、どんどん差益を発生させる。そのため、一周すると、同じ商品の資産価値が帳簿上だけ増えて、見た目上は売上も資産も増加する(もちろん実態はない)。ところが、毎期のBS・PLはつながっているため、粉飾はどこかで資産を不自然に吐き出さない限り、蓄積されていく。積み上げられた売掛金は、もちろん実態がないので回収不能になり、多額の貸倒損失(費用)が発生する。回転されて評価が上がった在庫は、定価で売られると大幅な損失(費用)を生じる。そこで大赤字を出さないためにさらに隠そうとされる。そこで、事業性分析として在庫の回転率とか、売掛金の回転期間などを見れば、粉飾を始めたときからどんどん膨んでいるから、事業構造に比した不自然さがはっきり出てくる。

 投資有価証券などの実損を隠す損失飛ばしも、それを子会社などに形の上で押しつけたとしても、代わりに上記の恒等式を維持するために取得したことにする資産たるのれんや固定資産、無形固定資産(ソフトウェアなど)の実態のない過大評価が伴う。それらは結局少しずつでも償却していかざるを得ない。そこを覆い隠せるくらいの利益が出ればいいという考えでこのような手法が取られるが、うまくいくことは多くないだろう。

 スクール事業などでは、授業料は先に納付するところが多い。しかし講義をする債務を残しているため負債となるはずの前受金を、合理的根拠もなく売上として認識替えする(収益を増やして負債を減らす)ような手法もあり得る。負債を減らす手法のほうが、本来の負債の額が粉飾の上限となるためまだ罪は軽いかもしれないが、そのようなことをし出す企業は資産の膨らましも行っている疑いがありそうだ。

 

認知行動療法の有用性が認識されつつある

 私は難病の潰瘍性大腸炎患者だが、これは日本に20万人くらい。大雑把にいうと1000人に2人くらい。

 これに対し、双極性障害躁うつ病)患者は、1000人に5人くらい。パニック障害の患者は、1000人に15人くらいらしい。精神疾患の患者は特に外来で年々増加しており、精神科の医師(約1.5万人とも)を奪い合う状態で、新規の予約はなかなか難しいという。

 国では、公認心理師という国家資格を新たに作っており、認知行動療法の診療報酬評価(保険適用)も広がる動きだという。

 子育てのために覚えようとしたこともあるが、実践するのは難しい。やはり専門家がたくさんできるといいし、そのために保険適用が広がるといいと思う。

 

・排ガス規制を受けて貴金属・白金族元素の活用の動きなど

 白金族元素(プラチナ、パラジウム、ロジウムなど)には、触媒として一酸化炭素や酸化窒素などの排ガスを浄化する働きがあるらしく、触媒コンバーターとしてガソリン車やディーゼル車に用いられて価格が上昇してきたようだ。

 また、従来、いわゆる接点材料には金や銀が使われてきたが、パワー半導体の微細化に伴い、プラチナそっくりのルテニウムが使われるようになったり、燃料電池の電極触媒に化学反応促進のためプラチナが使われるようになったりしているとか。また、FSW摩擦攪拌接合)にはイリジウム合金が使われるようになっている。

 都市の廃棄家電などから有用な資源を再利用するいわゆる都市鉱山で、それら家電のプライバシー情報などに関するセキュリティを維持しながら貴金属を回収する技術の高まりで、資源活用効率の向上も図られているらしい。

 文系の私には普段なじみのない分野で、化学の発達に貢献する方々への尊敬の念を抱かされる話題だ。

 

・座ったままの運動、ジャイロキネシスとかみんなの体操とか

 潰瘍性大腸炎を持つ私は、なるべく座った姿勢のほうが便意が来にくく、歩いたり立って動いたりすると、大腸が動いて便意につながりやすくなる。これは、大腸内視鏡検査の時に、2リットル近い下剤を飲まされて大腸を綺麗にする際に、医師からの指示で、「下剤を飲んだらなるべく歩いたり腰をねじったりして便通を促しましょう」的なことを言われることからも明らかだ。

 そんな私たちにとって、有酸素運動をするのに最適だと個人的に思うのがジャイロキネシス。座ったまま身体をゆったり動かして背筋が伸び、心地よくなる。YouTubeに動画も上がっているのでご参照を。信州とうみ観光協会の動画が個人的にはオススメだ。

 みんなの体操は、NHKでやっている5分間の体操。ラジオ体操を補完するような首の運動とかがある。出演するお姉さんたちと一緒に、この5分だけと思って体を動かすと、それだけで十分スッキリしたりする。これもオススメだ。

今月の学びのまとめメモとか②

こんにちは呂蒙です。

引き続き、この1か月間の学びを備忘します。

 

・体力の維持向上には結局運動と食事と睡眠

 体力にはいわゆる行動体力と防衛体力があり、行動体力は文字通り自分がどれだけ長く強く行動し続けられるか。それに対して防衛体力はいかに外敵から健康を守れるか、免疫力みたいな意味。

 行動体力といっても、個人的には運動をし続ける体力のほかに、知的なことをし続ける体力もありそうだが、学術的にはあまり区別されていなさそう。

 いずれにしても、体力の維持向上に必要なのは、運動、食事、睡眠の3本らしい。

 運動:有酸素運動。つまり、ウォーキングやLINE人ぐ、踏み台昇降、もも上げ、ジャンプなど。

 食事:主にタンパク質やビタミン。

 睡眠

 難病の潰瘍性大腸炎をやってしまってから防衛体力は劇的に落ち、排便の恐怖から外での有酸素運動にも支障を来して、体力が落ちた私。しかしなんとか家で体力の維持向上を図りたい。

 

・債権法改正の概要とか

 時代の変化と判例の集積に伴い、改正された民法(債権法)が2020年4月に施行された。多すぎてまとめきれないが、この1か月でちょっとかじった範囲は以下。

 ・消滅時効 主観的起算点から5年、客観的起算点から10年に。短期消滅時効の各制度と商事消滅時効は廃止。時効の完成猶予(←停止)、更新(←中断)、協議による完成猶予の合意(1年ごと、最長5年)の新設など。

 ・法定利率 3%を出発点とした変動制に。商事法定利率の廃止。

 ・保証 事業用貸金の個人保証に公証人の保証意思確認が必須に。主債務者の保証人に対する(返済能力等についての)情報提供義務、その違反につき債権者が悪意又は善意有過失の場合の保証契約取消権。保証人の債権者への請求に基づく主債務履行状況の情報提供義務など。

 ・債権譲渡 譲渡禁止特約が債権的効力に。将来債権譲渡の可能性について明文化。

 ・相殺 相殺禁止特約は、第三者が悪意又は善意重過失の場合に限りその第三者に対抗可能に。債務者からの相殺禁止は、悪意(害意)の不法行為に基づく損害賠償債務や、人の生命身体の侵害による(不法行為債務不履行問わず)損害賠償債務を受働債権とする相殺についてに変更(通常の不法行為に基づく損害賠償債務については受働的相殺OK)。差押えと相殺について無制限説を明文化。受働債権の差押え後に取得した自働債権による相殺も、差押え前の原因に基づくものならOK。なお債権譲渡との比較では、債権譲渡後に取得した自働債権による相殺は、差押え前の原因でなくても、同一の契約に基づく債権ならなおOK。相殺充当は、相殺適状になった順に。あとは弁済充当を準用。

 ・定型約款 新設。組入れ要件、不当条項、事後的変更要件を明文化。

 ・意思能力ほか 明文化。錯誤の効果が取消しに。

 ・賃貸借終了時の敷金・原状回復義務 明文化。

 ・危険負担 特定物売買等における債権者主義の削除。債務者主義については、双方帰責事由なき場合の反対債務の当然消滅はなくなり、履行拒絶権に。(解除も可能)解除への一本化については、解除権の不可分性などから不便かと考えられて見送り。

 

・匿名表現の自由の価値について

 匿名で各種投稿などの表現がされる現代。通信の秘密(通信の内容から、発信者と受信者、通信の存在自体まで)だけでなく、「匿名表現の自由」というものの価値にもスポットを当てる。

 匿名であることで、しがらみのない本音・真実を言いやすくなる(思想の自由市場に資する)側面があるし、受け手側も肩書や名前ではなく内容で情報の当否を判断するというあるべき方向に傾く。しかし、匿名性を隠れ蓑にして他人の権利侵害性や社会的害悪性の高い表現もされやすくなる。つまり、匿名表現にはプラスの価値もマイナスの価値もありそうだ。そうすると、表現の自由のうち匿名表現の自由を特に強く保護すべきであるとか匿名性を開示するデメリットが明らかだとかは一般論としてはまだいえないかもしれない。問題となる場面ごとに違うのだろう。

 そうした中で、プロバイダ責任制限法は、発信者情報の開示を請求するための要件として権利侵害の明白性と正当な理由を求めている。これは、明白ではないものの結論として「違法」な表現だけでなく、「違法」と「違法が明白」というものの間のいわば緩衝地帯の表現にも法規制が入り込まないことで、匿名表現の自由のプラスの価値を尊重して表現への萎縮効果の逓減を図りつつも、「違法が明白」な表現に対しては匿名性を暴いて損害賠償請求への道を開くことで、侵害される権利と表現の自由とのバランスを保とうとしていると評価できるかもしれない。また、発信者自身ではないのに開示請求の当事者に立たされるプロバイダは、明白ではないものの結論として「違法」な表現についても発信者の情報を開示すべきとなると、難しい判断を迫られるので、違法性が明白な表現に限定されているのは、その立ち位置を考慮したものかもしれない(結局、違法性が明白なのかそうでないかのところで難しい判断にはなるのだが。)。

 

ハイパーリンクの設定はリンク先の内容の事実を摘示するものか

 もしそうだとすると、リンク先の記事の内容が間違っていて誰かの社会的評価を低下させたりするものだと、一緒に名誉毀損等の違法行為をしたことになってしまいかねない。

 わざわざ自分の投稿記事に、張らなくてもいいリンクを張っているのだから、それ相応の責任は生じるとしても、そこまでのことになるのかどうか。

 結局、一概にはいえないが、リンクを張った趣旨目的や前後の文脈、リンクを張る回数などの諸事情により、リンク先の内容について自ら事実を摘示したものだといわれてしまうのかが変わってくるようだ。誤解されないように気を付けたい。

 

・質問投稿はその内容の事実を摘示するものか

 文章としては質問の形をとりつつ、実は、「こういう事実があったらしい」と伝える目的の投稿というのもある。真に質問しているにすぎないのかどうかによる。結局、その投稿の場所・性格や文脈など、諸事情から判断する。

 

・短文の投稿は事実の指摘なのか意見なのか

 事実の指摘(摘示)だとすると、名誉毀損や信用毀損の問題や、プライバシー侵害の問題になり得る。単なる意見だと、表現によっては侮辱(名誉感情侵害)の問題になり得るが、前者のほうが(受忍限度を超えた)違法になりやすく、より詳細な事実が書いてあるとより違法になりやすいと思われる。また、後者だと、そもそも法人には問題にならない可能性がある。

 一般論としては「証拠による存否の認定が可能な特定の事項の摘示だと、一般の読者の通常の読み方からして理解されるものかどうか」が基準となるという。ネット上にはびこる短文投稿について、この区別は極めて難しいらしい。文言や文脈から判断するほかなさそうだが、その投稿の場所・性格からしてどんな読者が一般の読者なのか(要するに受け手のレベル)、というようなところも難しいようだ。

 今はいろんなところに短い他人の評価投稿がある。それこそツイッターなどには大量にあるし、グーグルマップや食べログ、就職情報サイトなどにもかなりの投稿がある。その投稿一つ一つに、他人の人生を動かしかねない影響の大きさが生じ得る。発信には責任を持ちたいところだ。

 

他にもたくさんの学びがあった1か月。さらに続きます。

 

今月の学びのまとめメモとか①

こんにちは呂蒙です。

今日は、この1か月程度で新しく勉強したことの一部を簡単にメモして備忘します。

 

・田澤ルール 事業者団体たるNPBによる「不公正な取引方法」の疑いと公取に発表され廃止

 公正取引委員会は、日本の中高を卒業後すぐメジャーリーグ球団と契約した田澤純一投手のような選手について2~3年間は日本プロ野球の球団と直接契約できないとしたNPBのルールについて、選手を「事業者」と認定し、市場(日本プロ野球と画定)でのその役務提供(プレーをして対価を得る)を各チーム共同で排除したNPBのルール策定が独禁法の「不公正な取引方法」に当たる疑いありとした。昨年秋のこと。

 選手を事業者と認定しているところから、新人選手獲得の公正な競争を阻害し得るドラフト会議の独禁法違反問題へと波及する可能性も?

 独禁法の問題はさておき、資金力の低いカープファンという目線からは、新人選手獲得競争で資金力や地理的利便性(都心が有利)で選択できるような制度(一時期の逆指名とかそうだったと思う)になるとたぶん不利になり、戦力均衡が崩れやすくなるのは確かに嫌かも。入団してからの各球団の資金力の差による育成環境の差や、入団して結構時間が経ってからのFA制度は仕方ないとしても。これは思考停止の保守主義なんだろうか。NPBのドラフト会議のルールは、日本プロ野球の魅力維持のための制度として正当化できるんだろうか。選手から見れば、短い現役時代にしっかり稼ぎたいだろうから、FAまでの期間も短いほうがいいし、ドラフト会議も新人の契約金や最高年俸の規制も廃止してほしいのかも。規制があるとかえって裏金とか目に見えにくい(暴かれるとダメージも大きい)行為の温床になるのかも。

 

アフィリエイトサイトでの信用毀損問題

 一見すれば2つ(以上)の商品を客観的に比較する体(てい)で、実は片方の商品の販売業者(依頼者)からアフィリエイト報酬を受け取り、他の商品について虚偽の事実を記載した場合の問題。アフィリエイト報酬をもらった投稿者の発信者情報の開示請求が認められるか。

 こういうサイトは意外と多いようだ。アフィリエイト報酬をもらうために、比較対象の商品を不当に貶めてしまうと、不正競争に当たる信用毀損(虚偽の事実の流布)や品質等誤認表示、一般的な名誉毀損などが問題になり得る。不正競争というためには、問題行為をした者が「競争関係」に立たないといけないが、投稿者はあくまで投稿者であり、販売業者同士の関係にはない。しかし、一方の販売業者(依頼者)から報酬をもらっているなどの関係があれば、アフィリエイトサイトの投稿者も、他方の商品の販売業者と「競争関係」があると認められる場合があり、不正競争に当たる信用毀損行為による権利侵害が明らかであるとして、投稿者の発信者情報の開示請求が認められる場合があるようだ。

 なお、投稿内容が「虚偽の事実」なのか、偏った主観的評価(感想)に過ぎないのかは限界が明らかでない場合があるが、品質や価格に関する数値の誤りなどは、数字の問題だけに、客観的に誤った事実と認められやすいかもしれない。

 

同一労働同一賃金の問題

 「同一労働同一賃金」=均「等」待遇を求める法律はない。旧労働契約法20条や新パートタイム労働法8条は、職務の内容等に応じた均「衡」待遇を求めるが、単純に「同じ職務内容の者には同じ賃金を」(均等待遇)というものまでは求めていない。

 均衡待遇とは、簡単に言うと、職務の内容、職務や配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して、待遇に不合理な格差があってはならないというもの。賃金の総額だけを比較するのではなく、個々の手当の支給の有無が違っていれば、その手当の趣旨目的などを考慮して、手当の有無が、人事的に合理的な違いなのか、不合理な違いなのかを比較する。一概にはいえないが、「〇〇手当」と名前のつくものは、使用者側がなんと言おうと、客観的にはこういう支給条件なんだからこういう意味でしょと特定され、格差は不合理だよねと言われやすいようだ(そういう手当が付くようになった歴史的には、企業ごとにいろいろな経緯がありそうだけれども)。それに対し、賞与(ボーナス)や退職金については、使用者もいろんな意味を併せ持たせて支給の有無や額を決めるのが一般的なので、「いい人材に正社員として長く勤めてほしいから有期雇用の社員よりも多めに支給して、モチベを維持する」というような抽象的な目的だという言い分が通りやすい(格差が不合理と言われにくい)面があるようだ。もちろん、客観的な制度設計からして、そんな目的じゃないよねとなれば別だろうけど。

 定年後の再雇用で退職金を既に受け取っているといった事情も、「その他の事情」の一つとして考慮していいので、再雇用で同じ職務内容なのに待遇が悪くなったとしても、基本的には格差をOKと認める方向になりやすいようだ。ただし、「もともと賃金が統計(賃金センサス)の平均額以下で、再雇用者の基本給が未熟な若手以下にまで下がってしまい、ボーナスも大幅減で、賃金総額が6割程度にまで減ってしまい、しかもその労働条件が労使交渉の結果ではなく使用者が一方的に決めた」というような場合には、いくら再雇用者には年金受給が可能になるからといっても、生活保障の観点を重視して、基本給や賞与が4割を超えて減額されている部分についてはさすがに不合理な格差だと認める裁判例もあったようだ。

 最高裁判所は、このような「何割まではOKだがそれを超えては不合理」みたいな割合的な解決はまだはっきり行っていないが、こういう下級審裁判例は結構出ている様子。いろいろ理屈をつけても最後は裁判所の感覚の問題になっていて、企業の人事担当者も弁護士も(判断する裁判官も)大変そうな状態だ。

 

民事訴訟のIT化について

 以前記事にした民事訴訟のIT化。

 事件管理システムのサーバコンピュータに、訴訟事件記録が電子データで保存される方向らしい。事件の件数はすごくたくさんありそうだし、それを何年分も保存していないといけないから、かなり強いサーバコンピュータにしないといけないし、セキュリティ面も強靭でありつつも、事件ごとに弁護士だけでなく当事者になった一般国民にもアカウントを付与してアクセス可能にする必要もあるみたい。しかも、事件係属中に当事者が交代したり(死亡して多数の相続人が受継するとか)、一部だけが控訴して一部については確定したりしたときに、その確定した一部については控訴記録を見られないようにしたりとかの、かなり細かい動作を要求されるみたい。

 それだけ細かく作動するサーバコンピュータって、とても重そうだけど、ユーザー側から見ると、端末はどれくらいのスペックを要するんだろうかと想像する。

 しかも、まだ改正案では「実際の法廷でWeb会議で口頭弁論」みたいな案になっているようだから(弁論公開のため、傍聴席には、出頭した当事者や代理人が見えるモニターでも出すのかな?)、各地方の裁判所ごとにサーバコンピュータが置かれるのかもしれない。けれども、うまく公開して、地方からもアクセスできれば、本当はその必要もなくて、東京にでっかいサーバコンピュータを置いて、裁判官と職員は東京に全員集めて、オンラインで裁判手続の申立てをして、必要な証拠だけ原本でやり取りするみたいな手続になってもおかしくないかも。土地管轄ってなくなるかも?刑事の令状の手続は、検察や裁判所の夜勤が大変で、先んじてそんなふうになるのかもしれない。地方で当直するのは現場臨場しての対応が必要な警察官だけになるのかも。どこまで劇的に変わるんだろうか。

 

まだまだたくさんの学びがあった1か月。続きは後ほど追加することにします。