刮目呂蒙のブログ

都内在住の30代男です。時事問題や生活改善情報から、自分の周りのことまで。たまに持病(潰瘍性大腸炎)のことも。

難病・潰瘍性大腸炎の原因が判明か【特定のタンパク質に対する「自己抗体」】

こんにちは呂蒙です。

今日は、潰瘍性大腸炎患者の私たちに衝撃のニュースをお届け。

それがこちらの記事です。炎症性腸疾患のみなさんにはお馴染み、IBDプラス。

ibd.qlife.jp

 

医学の記事なので、素人には分かりにくいですが、たぶんこういうことです。

 ・潰瘍性大腸炎患者の約9割に、とある「自己抗体」があることが判明。

   ※ 自己抗体とは……自分の身体の成分(組織や細胞)に対して産生され、攻撃してしまう特殊な抗体のこと。自己免疫疾患の原因とされる。

 ・そもそも潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜の上皮細胞が炎症を起こしてただれてしまう病気で、自己免疫疾患とされる。

 ・細胞には血管が通っていて、血液中の酸素や栄養を細胞に送ったりしている。

 ・大腸の血管にある血液中のタンパク質「インテグリンαVβ6」を、この自己抗体が攻撃してしまうらしい。

 ・この自己抗体は、「上皮細胞の接着に関連するタンパク質との結合を阻害する作用」を持つ。これが、潰瘍性大腸炎つまり大腸粘膜の上皮細胞の障害に関連しそう。

 ・この自己抗体は、クローン病や他の腸炎の患者には見られないもの=潰瘍性大腸炎に特有のもの。

  ・この自己抗体の「力価」つまり数値が、潰瘍性大腸炎の「活動性」に応じて変動するらしい。この数値の検査ができれば、内視鏡検査で身体にすごい負担をかけて病態を見る必要が大きく減ずるかも。

 

 この発見はたぶんすごいですよ。病気の原因が特定できれば、あとはその自己抗体のみを標的にして働きを弱める薬ができれば、根治も夢じゃないかも?

 発見者は京都大学大学院の塩川雅広助教らの研究グループとのこと。塩川先生。あなたが神か。しや、グループのみなさんが神か。

 

 もちろん、この自己抗体やインテグリンαVβ6自体のさらなる研究が必要でしょうし、自己抗体の持つ結合阻害作用と上皮細胞の障害の関係性についても研究を要しそう。

 根治療法だって研究開発にも治験にも保険適用にもすごいお金がかかるかもしれないし、先にこの自己抗体の数値の検査キットができても、病変の具体的状況や、大腸がんの発見など、やっぱり内視鏡検査でしか分からないこともたくさん残りそうです。

 しかしながら、日本だけでなく世界的に患者が急増しているという潰瘍性大腸炎ですので、検査や治療へのニーズは根強く、幸いにして、日本では国が難病に指定して、治療費等の補助をしてくれています。だからこそ製薬会社も安心して新規治療の開発ができ、最近も、ステラーラなどの新規治療法がどんどん出てきてくれています。

 今回の自己抗体に関連した根治療法も、この勢いで一気に開発、実用化されてほしい。そして、まだ幼い我が子たちが大きくなって独立するまでは、なんとか私が無事に働き続けられるように導いてほしいと切に願います。

 

近況とか

 なお、最近2回目を注射したシンポニーですが、結構ちゃんと効いてくれているようです。ステロイドを使っていないのに、1日の排便回数が4~5回で済む日がわりとあります。調子がよくない日=腸内にガスが溜まってしまう日もありますが、その頻度が確実に減っている実感があります。大腸内視鏡検査で、盲腸や横行結腸の潰瘍が治っていたことが確認でき、残すはS字結腸と直腸。もちろん道半ばですが、最近やっと排便の不安が減ってきました。本当に、病気すると医療の力の偉大さを実感しますね。ありがたいことです。