将棋の第4回ABEMAトーナメントのドラフト会議の結果を予想する
こんにちは呂蒙です。
将棋の第4回ABEMAトーナメントが間近ですね。
このトーナメントは前回からプロ棋士による団体戦となり、超早指しのフィッシャールールを採用していて、とてもエキサイティングな魅力あふれる棋戦となっています。
非公式戦ながら賞金も相応に高く、棋士たちは慣れない団体戦で和やかな雰囲気を醸し出しつつも、勝敗にはきっちりこだわってくれて、とても面白いです。
前回は、永瀬拓矢王座率いるチーム永瀬(バナナ)が優勝しました。永瀬拓矢王座、藤井聡太二冠、増田康宏六段という俊英ぞろいで、チーム結成当時から優勝候補でした。
準優勝は、渡辺明三冠率いるチーム所司一門。また、佐藤康光会長率いるチームレジェンドも、森内俊之九段の活躍もあり、いいところまでいきました。チームレジェンドは、佐藤康九段(永世棋聖)、森内九段(18世名人)、谷川浩司九段(17世名人)の超豪華な顔ぶれで、往年のファンを大いに楽しませてくれました。
さて、今年のドラフト会議が3月27日(土)に迫っています。
今年は、選ぶ側に藤井聡太二冠と羽生善治九段が入っていることが大きな目玉です。藤井聡二冠は去年は無冠でB級2組でしたから、まだ選ぶ側にならなかったところ。また、羽生九段は、おそらく棋士を選別する立場にならないような配慮か、サイバーエージェントの藤田晋社長が選ぶドリームチームの一員になっていました。羽生九段が弟子を取らないのも、弟子を取れるとしてももちろん限度があるところ、ある人を選ぶことで、選ばなかった人(の可能性)を切り捨てたように見られたくないからで、その人の可能性を奪わないようにという配慮からだそうです。偉ぶらず自然体でありながら、人からの見え方は分かっていらっしゃる。さすがだなと思います。
今年は、そんな羽生九段も、プロ棋士を選ぶエンターテインメントであればということでしょうか、ドラフト会議に参加してくれるということで、ファンとしては楽しみが増えました。
先んじて、選ぶ立場の棋士たちのインタビュー記事も上がっています。それらも適宜参考にしつつも、自分の希望も込めて、チーム編成の予想をしてみたいと思います。気軽に見ていただければ幸いです(敬称略)。なかなか年長の棋士は気を遣うので指名しにくいとは思いますが、そのあたりは思い切って無視してみます。
①渡辺明 → 阿久津、大橋
「何かしら縁のある棋士を指名する」「脳が年齢で衰えるのか実験したい」
∵前回とは違うチームかなと。同年代の阿久津と、脳年齢の話をしそう。
②豊島 → 近藤、都成
「若手から同世代くらいを中心に考えている」「楽しく指せるチームがいい」
∵豊島と世代の近い強豪を挙げてみた。全員藤井聡に勝った経験あり。
③広瀬 → 森内、屋敷
「縁があるチームで、出来上がったら『おお』となる」「予想しにくい指名」
∵森内とは同門。屋敷とは出身地の縁(北海道札幌市)。
④佐藤康 → 山崎、佐藤紳
「森内さんや久保さんが競合するかも」「もう少し我々の世代も選ばれる」
∵レジェンドチームと同様、話題性重視。独創的な将棋とキャラ。
⑤佐藤天 → 深浦、戸辺
「年上の先生も視野には入れている」「仲良く楽しく、勝負は真剣に」
∵かたや粘り強い九州男児の先輩。かたや最近よく指す振り飛車党の人格者。
⑥羽生 → 松尾、中村太
「アグレッシブな構成に」「違う年代の人を指名します」
∵松尾は羽生研仲間。中村太はタイトル戦で羽生と3度激戦を展開、攻め将棋。
⑦糸谷 → 澤田、大石
「意外と個人適性が強いルール」「最後まで戦い抜くのが目標」
∵同じ森信雄門下の若手強豪を指名。
⑧三浦 → 阿部健、丸山
「自分の気持ちが楽な方」「漠然と2人、人間関係とかもある」
∵阿部健は共著あり。丸山は三浦の不正疑惑(後に完全に白と判明)の際、真っ先に嫌疑はない旨のコメントを出した。当時は感動したもの。
⑨稲葉 → 郷田、増田康
「実績を残された先輩方はさすがだった」「経験値、若さとバランスを」
∵人間関係は不明。実績を残しそうな経験値ある先輩と、若い強豪。
⑩菅井 → 久保、藤井猛
「指名したい人はいるが先輩でちょっとしにくいかも」「1人は決まり、もう1人は去年指名がなかったのが不思議な人」
∵「決まり」の方は久保でたぶん異論なし。もう1人は「指名しにくい」とは思えないが、願望も込めて。
⑪斎藤慎 → 佐々木大、高見
「初対面でも優勝を目指せるチームを」「初出場の人も選びたい」
∵優勝を目指すとして選ばれそうな若手強豪から2人。
⑫藤井聡 → 伊藤匠、服部
「世代が近い人を」「おそらく被らない」
∵同世代は伊藤匠のみ。あとは若い順に、伊藤とのつながりも見て。
⑬永瀬 → 鈴木、佐々木勇
「自分の中でかなり実力が上位の方を選びたい」「少しでも気心が知れていた方が」
∵鈴木とは事実上の師弟関係。佐々木勇との仲の良さは有名。
⑭木村 → 村山、横山
「B1だと当たる可能性があって気を遣う」「ベテランでも安定した成績ある」
∵村山とは羽生研のつながり。横山は40歳だが安定した成績のベテラン。
どうでしょうか?個人的な縁の有無は、同門とか研究相手として知れ渡っているとか、あるいは共著があるとかでないとまったく分かりません。
それに、関東・関西のつながりをどの程度重視するのかも分かりません。
ですので、菅井八段などかなり明確に予想ができる人もいましたが、曖昧な人のほうが多いです。いずれにしても、まずはドラフト会議が楽しみですね。