刮目呂蒙のブログ

都内在住の30代男です。時事問題や生活改善情報から、自分の周りのことまで。たまに持病(潰瘍性大腸炎)のことも。

読書法は①本の内容と②読書の目的と③可処分時間を総合して選択する

読書は知見を広げてくれる。他人が時間を掛けて考えたことを吸収できるので、他人の頭を借りることができるのと同じだ。編集者と共に、分かりやすく構成もしてくれている。読書の効用は控えめに言って最高だと思うが、用途によって読書法は使い分けるべきだ。今回は、数種類の読書法の使い分けについて紹介する。

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目次

1 読書の現代的位置付け

昔は読書こそが至高の勉強法だったが、現代では、読書もあくまで情報収集ツールの一つという地位に落ち着いている。インターネット記事やYouTube動画などの無料の情報収集ツールがここ数十年で極めて優秀なものになった。もしかすると、情報は今後基本的に無償で手に入るようになるかもしれない。少なくとも、大衆的な関心事項に関する知識はそうなりそうだ。再生数やプレビュー数が稼げるからである。他方、小さなセミナーから大学まで、あるいは大講堂のものからオンラインまで、規模はさまざまだが、講義も、まだまだ情報収集ツールとして健在だ(小規模の有料のものは、情報弱者向けという立ち位置にもなりつつあるが、個別的・パーソナルな対応をしてもらえるという意味ではまだ存在意義があるだろう。)。

読書の媒体たる本も、有料の情報収集ツールという性質が際立つようになり、一方では無料では提供できない価値を提供しようとしてくれる要素もありつつ、他方では無料で得られる情報を単にまとめただけの内容について、お金を使ってもらおうと、できる限りキャッチ―な題名にしたり、帯に有名人の推薦を得たりという小細工もますます弄するようになってきた。このような中では、無駄な本は買わないようにしたい。もっとも、安い本ならば、買うかどうか悩む時間のほうがもったいないかもしれないが。

 

2 読書法の使い分け

そんな中では、本も大雑把に言えばいくつかの種類に分類できると思う。

①細かく論理を追って必要な知識を覚え込むべき専門書・教科書類

岩波新書などのように、分厚くはないが読み応えのある本

自己啓発本やハウツー本など、作者が本当に言いたい内容が数テーマに限られる本

例えばこのように内容的に分類した本について、読書の目的と可処分時間とを考慮して読書法を考えると、以下のようになる。

 精読

仕事や学業などのため十分な理解度と穴のない知識を身に付ける目的で①の本を読むときは、可処分時間などと言わずなんとか時間を作って、精読するほかない。

精読といっても方法はいろいろある。一般的には、まず全体をざっと読んでから細部をゆっくり読むのがいいと言われるが、民法学の大家・我妻榮先生は、頭から少しずつ理解できるまで読み込み、理解できないうちは先に進まなかったという。いずれにしても、精読というのは、基本的には繰り返し読んで頭に叩き込むしかないと思う。最後は目次まで覚え込み、目次によって項目ごとの内容がよみがえってくるくらいにするのが究極の目標になる。

 飛ばし読み・拾い読み

③のような本はこれで十分だ。具体的には、目次をゆっくり見て内容の目星を付け、特に興味がわいた箇所だけを目でざっと流して読み、その中でも特に気になった箇所を拾い読みする。そこを読んで、作者の言いたいことをつかみつつ、文章の出来や論理の緻密さなど、要するにその作者の本がもう少し時間を掛けて読むに値するかどうかも見極める。このような飛ばし読みは、紙の本で、眼と手を使って行うのがベストだが、電子書籍でもジャンプ機能を使ってなんとかなる。②のような本も、③に比べると読みごたえが高いものが多いが、その本に掛けられる時間が少なければ、飛ばし読みでもしないよりはマシだという考えから、飛ばし読みをしてお茶を濁すこともある。

 聴読

②のような本を空いた時間でしっかり読みたいなら、聴読がおすすめだ。これは、電子書籍スマホにダウンロードして、スマホ視覚障害者向けのTalkback機能を使って一言一句を音読してもらう方法だ。先日紹介したTWS(トゥルーワイヤレスイヤホン=完全独立型イヤホン)を使えば、洗濯物を干しながらでも歩きながらでも電車に乗っている最中でも、あるいはスーパーで買い物をしている最中でも、本を聴くことができる。読み上げ速度を変えることもできる。注意点として、一言一句を読み飛ばさないが、漢字の読み方を多少間違うことはあるから、そういうつもりで聴く必要はある。また、自分のスマホのTalkback機能の起動方法と、Talkback機能使用中の操作方法をきちんと覚える必要がある(androidスマホの場合、スクロール方法が二本指になったり、選択がダブルクリックになったりと変化するので、慣れるまでは戸惑う。)。すぐにスリープしないように、設定を変えておく必要もあるので注意してほしい。

なお、この方法で上記③のような本を通読することもでき、②のような歯ごたえのある本よりも気楽に読めるが、③のような本の多くは繰り返しが多かったり内容が薄すぎて一言一句を読むに値しないので、だんだん通読する無駄の多さが嫌になるだろう。

 

3 まとめ

以上のとおり、今回は本を極めて大雑把に3つに分類したうえ、読書法も3つしか紹介していない粗々の内容になった。

これを自分の読書法を考えるたたき台にして、いろいろ考え、試してもらえれば幸いだ。