刮目呂蒙のブログ

都内在住の30代男です。時事問題や生活改善情報から、自分の周りのことまで。たまに持病(潰瘍性大腸炎)のことも。

勉強のメリット・デメリットを整理する【メリットが大だ】

 先日、やる気の出し方について下の記事を書いたところ、それなりの反響をいただいた。

katsumoku.hatenablog.com

 要約すると、「意志の力に頼らず、実行すべきことを特定して、自分を実行させるための環境や報酬設定などの仕組み作りをしよう」という内容である。

 もっとも、そもそも勉強する必要性を感じない人は、そのような取り組みさえする気が起きないだろう。

 そこで、勉強をすることのメリットとデメリットを大雑把に整理したい。

目次

1 勉強のメリット

 地頭がよくなる

  何といっても、地頭がよくなることだ。主に論理的な思考力と記憶力が鍛えられる。

 勉強しようとすると、学校の科目に限らず、ほとんどのことを学ぶにあたって、論理と記憶を使う。その比重は科目や対象によって違うが、学べることのほとんどは、知識が論理的に体系化されている。用語や決まり、法則といった知識を覚え、それらを論理的に活用できるようにするのが「勉強」である。

 大学受験でいえば、日本史や世界史などは知識の比重が大きいので、記憶力が鍛えられる面が大きい。いわゆる暗記科目である。

 一方、数学は、定理や解法を覚えた後は、新しい問題に対してそれらを論理的に活用する力が重要になる。なお、数学も暗記だという人もいるが、もともと論理的な思考力が高いために新しい問題にどの解法を適用すべきかの見極め力が高い人がそう言っていることに気を付けるべきだ。

 国語とりわけ現代文(論説)も、論理的な思考力が大事な科目だ(もっとも、近現代の評論用語の知識を入れることが役立つ側面もある。)。

  はっきり言って、中学までの勉強内容は社会ではほとんど常識の部類だが、高校以上で勉強する内容が社会で役立つことはそう多くない。社会で直接役立つのはいわゆる実学がメインであり、高等教育で勉強した内容は教養という背景的な地位に後退する。

 しかし、勉強を通じて、地頭(論理的な思考力と記憶力)を鍛えておくことは、それ以降の人生すべてにおいて、極めて役に立つと言い切れる。

 なお、アイディアの創造力や、コミュニケーション能力、他人を巻き込んだ行動力などは、勉強だけでは身に付きにくいので、別途意識的に鍛える必要がある。

 物事を正確に理解できる力がつく

  勉強で地頭がよくなると、学校の科目以外の物事についても、正確に理解するのが容易になる。そうなると、生活情報なども正確に理解でき、一方的に損することが少なくなるし、他人に騙されにくくなる。「よくわかんないからこれでいいか」というのが明らかに減る。

  世の中で必要とされることを正確に理解する力を使って、実学や仕事の知識を身に着け、他人の役に立てることも多くなる。それはつまり、お金を稼ぐ力にもなる。頭を使ってお金を稼ぐわけだから、肉体労働ではなく頭脳労働で、である。

  ちなみに、勉強は社会に出てからでも遅くはない。むしろ何歳から始めてもいい。特に、学校の勉強でいい点を取れなかったとしても、実社会で必要な知識を蓄積し、論理的に考え抜くことを通じて、地頭を鍛えることは可能だ。「呉下の阿蒙に非ず」の呂蒙の故事にもあるとおりだ。

  その意味で、いわゆる学歴は、10代までに、周りと同じことを課されて、その中で人一倍頑張れたことと、勉強を通じて相応の地頭を身に着けたことの証明になり、分かりやすい標識として就職の場面でも大いに役に立つ

  だが、その程度の意味にとどまるともいえる。例えば、大学入学後に全然勉強をしなくなり、日常的に考える習慣も身に着けず、怠惰な毎日を送りすぎたりすれば、脳が劣化して地頭が錆び付くことも少なくなく、逆に実社会で考え抜いてきた人に追い抜かれることも多い。コミュニケーション能力や行動力なども関係して、「学歴は仕事ができるかどうかには必ずしも直結しない」というのは社会人には常識だが、学生諸君も知っておくとよい。

 成長を実感できる

  勉強をすることで、分からなかったことが分かるようになるし、テストの点数が上がったり、資格を得られたりすることを通じて、自分の成長を実感することができる。

  勉強以外でも、一つのことを続ければ上手になるが、勉強は成果の確認が比較的容易だし、ゲームの上達などと違い、その人にとって「本来やるべきこと」である場合が多いので、堂々と成長を実感しやすい

 自信が付く

  勉強を続け、自分の成長を繰り返し実感していくと、自分に自信が付いてくる。努力してきたこと自体と、目に見える成果とが、自分に自信を持たせてくれるのだ。

 勉強が苦でなくなる

  勉強に慣れることで、勉強をすることがさほど苦でなくなる。もちろん、いくらやっても好きになれない科目や分野はあるが、必要なときには一気に勉強することにさほど苦労しなくなる。

 

2 勉強のデメリット

 時間を取られる

  勉強をする時間は他のことができない。他のことをしながら勉強しても、大して身に付かないからだ。

  勉強以外のやりたいことがあるときは、勉強に時間を取られたくない気持ちもあるだろう。

  だが、10代までの場合、あえていえば、将来稼げるスポーツ等のプロ選手になれそうなど特別な才能がない限り、周りと同じ勉強に時間をかけたほうがいい。その理由は、勉強のほうが他のことよりメリットが大きいからだ。

 疲れる

  当たり前だが勉強するのは疲れる。特に、関心の薄い物事を覚えたり、論理的に考えることは、慣れないとすごく疲れる。何でもそうだが、最初の一歩が一番大変だ。

  そこで勉強をやめてしまう人間が少なくない。そのことをあえて意識し、自分に負けないように頑張ってほしい。分かるようになれば、多少は面白さが出てきて、疲れも軽くなる。

 調子に乗ってしまう

  これは自信が付くことの副作用といえる。もし10代ころまでなら周囲が見えなくなって多少調子に乗ってしまうのも致し方ない。若気の至りであり、いずれ気付けばいい。

  しかし、大人になって調子に乗るのはただの痛い人なので、早く自覚して直そう。上には上がいる。無知の知であり、謙虚が一番である。

 モテにくい

  勉強ができるだけでは、10代まではモテにくい。努力する姿を見てくれる異性もいないことはないが、容姿やコミュ力、運動神経が高いほうがモテるのは事実だ。これは思春期には結構大事に思えることだ。

  しかし、容姿もコミュ力も運動神経もそう簡単には身に付かない。勉強ができるようになり、自信が付き、相応の収入を得て、身ぎれいにすると、20代には十分それなりにモテるようになる

  凡人こそ、若いころは勉強を通じて能力を高め、質のいいコミュニティに入っておき、そこで20代以降にモテるようになるのが結局一番いいのではないかと思う。中途半端にキョロ充をやるよりはるかにいい人生が送れるだろう。だから、すぐにはモテにくいからといって、勉強に時間をかけることに疑問を持つ必要はない。容姿やコミュ力だけでは生きていけそうにない人ほど、勉強に賭けるのが正解だ。

3 まとめ

 今後、いわゆる情報強者と情報弱者の格差はますます開いていくだろう。早くから勉強して地頭を鍛えておき、物事を正確に理解する地力をつけ、必要な知識をどん欲に吸収して、情報社会を生き抜いていってほしいと思う。