いまメガネを作るならZoffがオススメ【ブルーライトカット無料】
最近、メガネを新調したので、その選択にまつわる話をする。
私が近眼になって、もう25年くらい経つ。
初めてメガネを作ったのは確か中学生くらいだったか。
当時はとにかくメガネが高額だった。フレーム代とは別にレンズ代がかかり、1セットで4万円くらいしていたと思う。
フレームも巨大でお世辞にもカッコいいものではなく、メガネをかけた自分が嫌だったが、コンタクトレンズを目に入れるのも怖かった。それに、コンタクトレンズをしている人に聞いたら、コンタクトレンズのほうがもっとお金がかかるし、取り外しの手間がかかるし、外した後は結局メガネをするという話だった。当時、家にお金がなかったこともあって、私はずっと同じダサいメガネを使い続けていた。
その後、私が社会人になって数年たつころには、メガネが急激に安価になっており、レンズ代も込みで1万円しないくらいの価格破壊が起こった。JINSやZoffが急成長してきたのだ。
私はここ10年くらい、ずっとJINS派だった。
たまたま当時の近所や転居先の近所にもJINSがあり、セール時には1本3000円台からあって安い。私は10年前には結婚していたから、その後は基本的に見た目は清潔感さえ維持すればよく、高いものを買って背伸びする必要がない。
それに、自社製ならフレームの歪みやネジのゆるみの直しを気兼ねなく頼める。他社製でもやってくれるメガネ屋もあるが、返報性の原則で、何か買わなければいけない気がしてくるのが嫌だった。自社製なら購入価格にメンテナンスサービス料も込みだと考えることができる。JINSに行けば、今までのものを含め、JINS製のメガネは全部気兼ねなく直してもらえる。
そんなわけで、今回も最初はJINSで買うつもりでいたが、残念なことに、東京のいまの自宅の近所にはJINSがない。JINSもZoffも店舗に行くには電車に乗る必要があり、だいたい同じくらいの距離にあって、そこの利便性には差がない。
まてよ、いまどきオンラインでも買えるかもしれないと思い、調べてみると、確かにオンラインで、仮想シミュレーション付きでメガネを購入できる。そこで最初は、JINSのオンラインショップで購入しようかと思った。
しかし、フレームのかけ心地は店舗に行かないと分からない。また、思ったよりオンラインショップの在庫が少ない(良いと思ったフレームはほとんどsold outだった)。
そして、オンラインでのメガネ購入をいろいろ検索する中で、JINSやZoffよりさらに安い謎のメーカーのメガネも購入できることを発見したり、せっかくなのでZoffのサイトもちょっと見てみるなどしたりする中で、偶然、
JINSはレンズにブルーライトカットを付けると値上げされる
のに対し、
ことを発見したのである。
ちょうどリモートワークも増えていてPCに向かう時間が長くなっていたので、ブルーライトカットはできればほしいと思っていた。
また、Zoffのオンラインショップで、気に入るフレームがJINSより多かったのも決め手になった。
こういった経緯で、今回はZoffの実店舗に行ってメガネを新調することにしたのである。
さて、Zoffへ行って税抜5000円の安価なフレームを選び、店員さんにJINSの既存のメガネを渡して、そのレンズと同じ度数のレンズを作ってもらうことにした。
ブルーライトカットを入れることを頼むと、カット率33%にするか50%にするか選べるという。
その場でサンプルを見せてもらい、すぐ決めることになった。
その場では、33%はあまり普通のレンズと変わらないように見える一方、50%のはかなりレンズが黄色い感じがした。
迷って、人気のものはどちらか店員さんに聞いてみたが、用途によるとのことだった。それはそうだろう。値段に差がないので、特にどちらかを売りたいという感じでもないらしい。
結局、よりブルーライトカット機能が高くて効果が高いであろう50%のものにした。世界が少し黄色く見えるが、生活に支障があるようなものではないと思った。
その後、私より更にリモートワークの頻度が増えた配偶者にもZoffのメガネを勧めた。配偶者は、やはり33%か50%か迷った結果、両方買うという荒技に出ていた。貧乏性が染みついた私にはその発想はなかった。
しかも、フレームは1万円と8000円のものだった。だが、そんなことで不満を漏らすようでは結婚生活を維持できない。よくあることだ。返品するというような未来はあり得ないのだから、「いい買い物をしたね」と言って気分をよくしてもらうのが一番である。
結果、いま家には、カット33%のメガネが1本と、50%のメガネが2本ある。
自分のメガネの感じは鏡を見ないと分からないが、配偶者が付けていると嫌でも目に付く。
50%のメガネは、他人から見ると黄色というよりかなり青っぽい色付きに見えるし、光が反射しやすい気がする。私は黄色と黄緑色の区別がつきにくいタイプの色弱だから、もしかすると色味の評価は普通の人と違うかもしれないが。
33%のメガネも、店舗で迷ったときは普通のメガネと変わらないように見えたが、配偶者が付けているのを見ると、やはり50%ほど顕著ではないが、若干青っぽい気がする。やはりカットが入っていると色味が違う。
とはいえ、すでに50%を1か月くらい付けているが、実際の効果はよく分からないものの、目が疲れにくくなった気がしないでもない。世界が少し黄色っぽくなることにもやはり特に支障はなく、職場にもつけて出勤している。替えのメガネが必要になったこともない。
配偶者のほうは、PCの仕事では50%のメガネをかけ、それ以外では33%のメガネをかけている。いわく、ブルーライトカットなしのメガネと比べ、「目の疲れが全然違う!」という。配偶者の今までの傾向からすると、おおかた思い込みの部分が強いと思うが、それは良かったねと言っておく。ちょっと高い眼鏡を2本買っておいて、全然変わらないと言われるよりはるかにマシであり、その辺りは先方も心得ているのかもしれない。
そんなわけで、ブルーライトカットのレンズはプラセボ効果もあるかもしれないがやはりオススメだ。そして、入れられるなら無料で入れられるほうがいいから、いまメガネを作るならZoffがオススメである。
福島県は温泉天国【①郡山市街地】
私は2017年4月~2020年3月の間、福島県に住んでいた。
郡山市は仙台に次ぐ東北第2の都市で、交通の要衝、商業都市のイメージが強いが、実は知る人ぞ知る温泉のメッカだ。市街地、少し郊外、それから磐梯熱海と、地域的にもうまく散らばっている。
私がよく行っていた温泉を簡潔に紹介したいと思う。少し古い情報になるかもしれないがご容赦いただきたい。
なお、ここに掲載した以外にも、郡山市にはさらにたくさんの温泉がある。掲載するのはほんの一部だ。
1 温泉天国さくら湯(郡山市島2-7-6)
郡山市街、開成山公園から少し西。郡山女子大学の近くの細道を通るルートを使っていた。
温泉の質は無色透明の硫酸塩泉で、少し熱めの源泉かけ流し。熱めが好きな私には大好物。
十分広めの室内に大きめの湯船があるほか、外気で少しだけ温度の低くなった露天風呂もある。
大人1名600円。それに小学生未満は無料だったので、温泉好きの長男をよく同道した。
こちらのサイトにも詳細な記事があったのでご紹介したい。こちらのサイトは、福島県のいろんな話題を扱っていてどれも大変面白いのだが、温泉についての情報の質量も群を抜いていて他の追随を許さない。
sizyuukara-1979.hatenablog.com
2 ホテルシーアンドアイ(郡山市堤下町12-7)
郡山市街を南北に走る県道17号線沿い。郡山駅からも徒歩圏内。
あまり知られていないが天然温泉「あさかの湯」がある。郡山唯一の飲用泉というのが売りらしい。
大人1名500円。
2018年1月、あまりの寒さに自宅の水道管が凍結してしまった際、同僚と一緒に日帰りで利用させてもらったが、大変満足できた。
どうやらコロナ禍で2021年1月4日から休業とのこと。苦しいご時勢、なんとか踏ん張ってほしいところだ。
他にも、郡山市街地には、郡山駅東口のドン・キホーテの近くに「まねきの湯」があるし、郡山駅から北徒歩数分には人工炭鉱泉だが「磐梯の湯ドーミーインEXPRESS郡山」もある。(南西の「ヒーリングヴィラ湯元」も市街地にあったが、残念ながら2020年6月30日閉店してしまった。)
さて、次回は、少し郊外の温泉を紹介する。見方によっては市街地ともいえる。
潰瘍性大腸炎 私の場合【①発覚】
36歳で潰瘍性大腸炎【全大腸炎型】が発覚し、2週間入院し、仕事も1か月半休職して、復職後の今も、ステロイド依存性が出て新薬ステラーラで継続治療中である私が、その症状と経過を紹介する。全国20万人にのぼるという患者、特に新規患者の方々の参考になればいい。健康啓発と自分の備忘も兼ねる。
目次
1 発覚
・下痢で1日トイレ40回
どうにも下痢が止まらない。1日40回はトイレに駆け込む。
何かを口に入れた直後にも便意が来るから、食事をするのも恐怖がある。
出退勤でもコンビニや駅のトイレに立ち寄る。
電車内でも便意が来て、途中駅のトイレに入る。途中駅も含めてトイレの位置は把握する。
これらのトイレが満室だと、入っている人を怒鳴りたくなる。我慢が効かないからだ。昔は何もせず我慢していたが、早く出てほしいから、ドアをノックして回る。なりふり構っていられない。声を抑えても苦しくてうめき声が出ることもあった。ドアから面倒そうにスマホをいじりながら出てくると、睨みつけたくなる。
夜中、寝ついてからも、便意で少なくとも3回は起きる。
最近は吐き気もひどく、何度も戻しそうになる。
そんな日々が続いていた2020年7月、東京某区。
さすがに何か手立てはないのか。
「過敏性腸症候群」ならどうせまた治らないのかなと思いつつ、
近所の消化器内科専門をうたう医院へ行った。
・過去の症状と通院
実は、2020年3月まで福島にいた私は、2~3年前から、トイレが近いことが気になっていた。2018年4月ころ、遅まきながら運転免許を取るため自動車学校に通った時も、コマとコマの間は必ずトイレに行った。仕事で新幹線で出先に行く時には、同行者をたびたび待たせることになるのが嫌で、別行動をお願いしたりもしていた。月2回の出張の際には、朝、最寄り駅まで徒歩20分の間に便意がこらえきれず、道中のホテルのトイレに駆け込むことも何度もあった。大きなショッピングモールで家族で買い物中にも急に便意が来て、トイレに走り込むことも何度もあった。
当時の職場近くの診療所で、週1回来ていた消化器内科医に、合計3回見てもらったが、特に精密検査はされず、1回目は「感染性腸炎」と診断されて抗生物質をもらい、2回目以降は「過敏性腸症候群」と診断されてイリボーやミヤBMなど複数の薬を処方された。
もっとも、1回目は少し軽快した気がしたものの、2回目以降は全く軽快しなかった。症状はだんだんひどくなり、2020年に入ってからは、体重が目に見えて減ってしまい、同僚に心配されていた。
そんな経緯もあって、東京の消化器内科専門医(仮にA医師としよう)にも、正直あまり期待していなかった。
・A医師の診断「大腸が広がりすぎている。下痢が我慢できるはずがない。」
私:たぶん過敏性腸症候群ですよね。
A医師:過敏性腸症候群はきちんと精査して、他のどれでもないと分かったときに付ける病名です。私は他の病気ではないかと疑っている。
正直、意表を突かれた。自分では症状をベースにして結構調べているつもりだった。後から振り返ると、私には明確になかった「血便」をキーワードにして検索しないと、潰瘍性大腸炎にはヒットしにくかったようだ。
A医師:腹部の画像診断や超音波検査をして当たりを付けます。おそらく潰瘍性大腸炎だと思う。指定難病です。正確な診断には大腸内視鏡検査をしないといけない。それほど悪いのなら食事もできないはず。直ちに入院して点滴を受けたほうがいい。
私:そんなレベルの話だったんですか。難病ですか。すぐ入院ですか。
耳を疑った。仕事中は、なぜか便意が収まってくれることが多いので、なんとか仕事は支障なくできていたから、出退勤中と夜中の便意が収まってくれればいいと思っていた。これも後から振り返ると、座っているとお尻が圧迫されて便意が来にくいし、便意が来てもはるかに我慢しやすいというだけだったようだ。
それにしても、2歳の二男がちょうど水疱瘡疑いで熱を出し、やっと治ったところだった。これは大変なことになった。
A医師は、血液検査、腹部CTと超音波検査を経て、ほぼ間違いなく潰瘍性大腸炎だ、おそらく慢性の全大腸炎型だという確信を持っておられたようだ。便採取もした。
A医師:大腸の本来0.1mmくらいの幅で便を止めて水分を吸収する部分が、0.5mmくらいに広がっていて、これでは下痢が我慢できるはずがない。
明日、大腸内視鏡検査をしましょう。今日は夜は食べるとしても素うどんとかにしてください。そのあと夜のうちに下剤を飲んでください。検査は午後からですが、朝10時半に来てください。明日も朝から下剤を飲んでおなかを空にします。検査の準備です。
この日はそこで終了となり、翌日の大腸内視鏡検査の説明と書類作成がされた。ちなみに、翌朝の下剤も家で飲んでもいいそうだが、家で下剤を飲んだあと病院に行くまでの間に下痢が出る心配があったので、病院で飲ませてもらうことにした。また、この日はひとまず、感染性腸炎の疑いもぬぐえないので、抗生剤が処方された。
なお、この日の治療費(薬代込み)は自己負担分だけで1万円くらいかかった。内視鏡検査は、順調に進むかどうかにもよるが、4万円くらいする場合もあるという。コロナの特別給付金は、病気の治療で吹き飛びそうだった。
(②大腸内視鏡検査へ続く)
よろしければコメント下さい。気軽に情報交換しましょう。
普通の30代社会人男がいまさらXiaomiのRedmiNote9Sの使用感をまとめる【最高だがデカくて片手操作しにくいのが難点】
XiaomiのRedmiNote9Sに機種変更して1か月経った。非ゲーマーで、ハイスペック(高性能)を求めない30代社会人(男)の立場から、RedmiNote9Sの使用感をまとめてみたい。「使用感」は実際に使った感想を大事にしている。データ的に分かる性能や、写真を撮ってみたサンプル画像などは、他のサイトで確認できると思うので、説明に必要な範囲以外は省略する。
目次
1 ハイスペックを求めない普通の社会人のスマホレビュー
スマホやガジェットのレビュアーは、ゲーマーだったりYouTuberだったりして、スマホにハイスペック(高性能)を求めがちな印象だ。それに、知識豊富で詳しすぎるせいか、CPUやメモリなどの用語説明はしても、「ヌルサク」とかの業界的形容詞を無意識に使っていて、普通の社会人には何を言っているのかよく分からないことがある。それに、「アンツツベンチマーク」とかいうよく分からないもので性能を比較して騒いでいて、おそらくゲーム使用上は意味があるのだろうが、普通の社会人としてはあまり参考にならない内容が多い。
そこで、ゲームもしないし動画編集もしない普通の社会人として、スマホに詳しくない立場で、このスマホの使用感をレビューしてみることにする。
2 私のスマホ使用環境
2002年、18歳で大学進学し上京するに際して、auと契約した。その後、ずっとauのまま、まずしばらくガラケーを使い、その後は壊れるたびにauで安いスマホを新品2年縛りで購入してきた。
3年くらい前、節約術を身に付ける前に買ったのが直前のスマホだ。
SHARPの「AQUOS sense SHV40」。
AQUOSsenseシリーズは「3」以降とても人気になって性能も上がってきたが、このSHV40は、いわゆるエントリーモデルに分類されるようで、いま振り返ると性能は高くない。当時から動作が遅い気がしていたが、3年ほど我慢して使ってきた。
ちょうど1か月前の昨年12月、コロナ禍ながら冬のボーナスも出たので、2年以上使った低性能スマホSHV40から、RedmiNote9Sに乗り換えた。Amazonで2万4800円。スマホにしては安いほうだと思う。そしてSHV40も同じような値段だったと思う。
ちなみに、購入当時はahamoの発表前だったので、UQにするかauのままで行くかで迷っていたが、割引込みで20G税抜5000円のプランに加え、長期優待で月々480円分のauポイント(Pontaポイント)がもらえる契約に入れていたので、auのままにした。ただし、今後はpovoかahamoに切り替えるつもりだ。
3 RedmiNote9Sの使用感
本題に入るが、直前のスマホつまり使用感の比較対象が、エントリーモデルの「AQUOS sense SHV40」だというのが前提になるので改めて注意してほしい。
① 動作
RedmiNote9Sはとにかく何でも速い。
ブラウザでリンクをクリックすると、すぐ画面が切り替わる。web漫画も、もちろん通信環境には依存するが、明らかにSHV40よりスイスイ読める。
Googleマップも待たずに表示されるし、遠近の切り替えも待たされない。
Gmailも、SHV40ではかなりもっさりしていたが、かなりスピーディーに画面が切り替わってくれる。楽天からの「クリックしたら1ポイント」みたいなメールもスムーズにポチポチできる。
YouTubeの動画も待たずに見ることができる。
Kindleの立ち上げも読み込みも速い。
QRコード決済アプリやUNIQLOアプリの立ち上げも速く、レジで焦るようなことがない。
Amazonも速いので、切り替わらずに2回押すようなこともない。プライムビデオやアマゾンミュージックも速い。(音質もいい)
Googlekeepやカレンダーも速いので、メモや日程の確認にのろのろしなくていい。
マネーフォワードやZaimの立ち上がりも速い。
ゲームや動画編集などしない普通の社会人として求めたい機能を使う上で、動作として不足を感じたことはないどころか、2万4800円でこれははっきり言って感動的だと思う。SHV40との比較で感動している面は否めないが、この点は強調しておきたい。
これはCPUとメモリの性能によるらしい。
RedmiNote9Sは、CPU「スナップドラゴン720」 メモリはRAM4G
AQUOS sense SHV40は、CPU「スナップドラゴン430」 メモリはRAM3G
よく分からないものの、CPUは700番台なら日常使用では全然不快感のない速さだといわれるが、実際に全くそのとおりだ。これに対し、400番台というのは、かなり低性能ということなのだろう。正直、我慢して使い続けることもできたと思うので、そこまで言うほどでもないと思うが、比べてみればかなりのんびりしたスマホだった。
② サイズと重さ
RedmiNote9Sはデカくて重い。
画面が6.67インチもあり、無駄な黒いスペースがほとんどないので、内容が見やすい。「画面が大きいほうが1ページの情報量が多くて便利だ」とか、スライドの回数が少なくて済む」とか言うレビューもあるが、私はそれは特にありがたみを感じるような要素ではないと思う。そんなに一瞬で大量の情報が頭に入るわけではなく、スライドしながらで十分だからだ。もっとも、web漫画の細かい吹き出しが読みやすくなったのは嬉しい。また、他のレビューで言われていた「ポケットに入らない」という点は、私は大丈夫だった。普通に、スラックスや黒スキニーの右前ポケットに入る。
しかし、デカいために片手操作にいろいろ難がある。身長180cmで手が大きいほうの私でも、駅のホームで片手で握っていると、冬の乾燥もあって、落とさないか不安を感じるレベルでデカい。歩きスマホも時々前を見ながらもしてしまうことがあるが、片手で文字入力しながらだと落としそうで怖い。
親指はなんとか全画面に届くが、奥のほうになるにつれて押しにくいし落としそうになる。そのためアプリの並びは、右手で持ったときに近くになるところに、使用頻度の高いものを並べている。
片手での文字入力のミスがとにかく多くなるのもよくない。文字の入力は、LINEやメールをする時だけでなく、ブラウザで検索する時なども考えるとかなりの頻度で行う。片手で入力したいことも実際上少なくない。しかし、自分では親指でフリックを動かしたつもりなのに、届いていなかったということが本当によく起こる。画面のタッチ感度が悪いわけではないのは両手で入力すればすぐにわかるので、やはりデカいために片手入力がしにくいことが問題なのだと思う。
また、重さがケースなしで209gもあるので、ケースありだと230gくらいになると思う。さすがに片手で支え続けると少し重く感じる。最初はこの重さが嫌ですぐに後悔しそうだと思った。しかし、意外にも、重さにはわりと早めに慣れた。
③ カメラ性能
RedmiNote9Sは、メインカメラ4800万画素と超ハイスペックなカメラを含む4眼だ。1310万画素だったSHV40に比べて、本当に綺麗に写真も動画も撮れる。そのため、子どもの動画を撮る頻度が以前より明らかに増えた。
これは明らかなQOL(生活の質)の向上につながった。
また、私のPCが内蔵カメラなしの低性能中古PCなので、DroidCamAppというソフトを使って、スマホをPCのWebカメラ代わりにしてオンラインお茶会をすることがある(私は潰瘍性大腸炎でお酒を飲まないのでお茶会)。このRedmiNote9Sのカメラがいいため、オンラインお茶会で私の顔がSHV40より明らかに顔色良く綺麗に撮れているのも気に入っている。
④ メモリ容量
RedmiNote9Sは、内蔵メモリ(ストレージ)がROM64GBで、外部メモリは512GBまで挿入可能だ。これはSHV40が、内蔵メモリROM32GB、外部メモリ400GBまでだったのに比べるとかなり大きくなったと思う。
というのも、内蔵メモリは32GBだとすぐほとんど一杯になり、無知なりに調べてファイルマネージャーアプリや開発者向け機能をいじるなどしてスマホを軽くする作業を何度も行う羽目になっていて、かなりストレスがたまっていた。だが、64GBあれば、今のところ20GBくらいの余裕がある。
また、外部メモリも512GBのmicroSDカードが入るようになったことが思いのほか大きい。というのは、先述のとおり高性能カメラで動画を撮影する頻度が上がったので、それを外部メモリに保存する余裕が増えたのがありがたいのだ。
クラウドストレージであるGoogleドライブも無限には使えなくなっており、外部メモリの容量の大きさは今後も重要になってくるだろう。
⑤ OS
RedmiNote9SはGoogleのAndroid10にXiaomi独自の改良を加えた「MIUI11」だという。
確かにところどころに見慣れない機能があるし、たまに中国語の表示が出る(公共Wi-Fiにつないだ時など)。デフォルトの設定も普通のAndroidと少し違う。だが、一応私でも、「戻る」ボタンを右側から左側に変えたり、アプリにいちいち表示される広告を消したりするのは調べたら簡単にできた。MIUIでも特に問題は感じず、今まで使ったSHV40のAndroidと同等の使用感である。
なお、RedmiNote9SはデュアルSIM対応であり、auのほかに例えばLINEモバイルと契約してSIMをもらい、同時に2つのSIMカードを差し込んで、1台で2つの電話番号を管理することができるという。しかも、MIUIの独自機能で、LINEのクローンアプリ(2つ目のアプリ)を作ったりして、2つの電話番号に対応した2つのLINEアカウントを1台で使用できたりもするという。この機能を悪用して不倫に使う人もいると聞くが、私はそもそも通信契約を1か所しかしていないので、この機能は使っていない。
⑥ バッテリー
RedmiNote9Sは5020mAhの大容量バッテリーで、「行き帰りの移動中と昼休みに使用し続ける」+「子どもが寝た後に使用する」+「メールやLINEに返信する」程度の使い方なら、フル充電から2日くらいは再充電しないで持つ。これは、2700mAhで3年使ってバッテリーの消耗が激しかったSHV40に比べて感動的に長持ちだ。
末期のSHV40は、朝100%に充電しても、夕方には20%を切っていて、帰路の途中で電池切れを起こしていたので、モバイルバッテリーが欠かせなかった。そのコードの接触不良で、カバンの中で充電できていないことも頻繁にあり大変不便だった。今はモバイルバッテリーが要らず、その充電を忘れずにするという手間もなくなった。
⑦ 防水
RedmiNote9Sは防水性能の表示がXiaomi独自だから分かりにくい。お風呂で使えるか分からないので使っていない。防滴はあると言われるところ、確かに台所に置いて料理をしながらラジオを聴いている時にかかる水滴くらいでは壊れたりしていない。
SHV40はIPX5/8とかなり高い防塵防水機能があり(水没OK)、お風呂でも気兼ねなく使えるので、家のWi-Fi環境を活かし、お風呂でだけはまだ現役だ。売っても高額になることはないだろうから、処分していないのだ。
⑧ おサイフケータイ機能
RedmiNote9Sはおサイフケータイがないので、QUICPayやモバイルSuicaは使えない。
モバイルSuicaは元々使っていなかったので問題ない。今後も、子供の保育園のセキュリティカードなどを定期入れに入れて使うので、PASMOの磁気定期券もカードとして定期入れに入れておくことに負担はない。
しかし、たまにQUICPayのみのお得な還元キャンペーンがあり、SHV40当時は利用していたので、使えなくなって悔しい気もする。
⑨ 認証
RedmiNote9Sは右側に物理ボタンの指紋認証があり、判定精度もなかなかで、かなり便利だ。暗証番号を入力しなければならない場面が減ったので、それを盗み見られる危険も減り、勝手に画面を操作される危険が大きく減った。
これはSHV40にはなかった機能だし、他の最近のスマホの中でも珍しいらしい。
4 メリット・デメリットのまとめ
以上をざっくりまとめると、こうなる。
RedmiNote9Sは、2万4800円と低価格のわりには、①動作が速く、非ゲーマーで動画編集もしない普通の社会人としては全く問題がなかった。②画面が大きくて細かい字も見やすく、重さもすぐに慣れた。③カメラが高性能で、動画撮影の意欲が高まったし、Webカメラとしての性能も満足だ。④メモリも内蔵外部とも十分に大きくてストレスがない。⑤Xiaomi独自OSの使用感も普通のAndroidと変わりない。⑥バッテリーも通常使用で2日持つくらいの持続力で、モバイルバッテリー関連の準備が不要になった。⑦防滴は問題なさそうだ。⑨物理指紋認証が便利だ。
ただし、②180cm男の私でも片手操作で落としそうになり、文字入力にも頻繁に失敗する程度にデカい。また、⑦防水性能は不明確なのでお風呂で使うのは怖い。⑧おサイフケータイがなくてQUICPayが使えない。
総合すると、私にとっては、動作、カメラ、バッテリーの高性能が大きく、片手操作などの難点を軽く凌駕する。駅のホームでは特に注意して保持している。ゲームなどせずハイスペックを求めない立場としては、ハッキリ買ってよかったといえる。
すでにRedmiNote9Sが日本市場に出て半年以上が経過し、OCNモバイルセールなどの格安SIM通信契約と抱き合わせのキャンペーンでは200円で売られていたこともあるようだが、いまだに満足度の高いスマホではないかと思う。200円など破格中の破格であり、通信契約と抱き合わせでの廉価販売なので、スマホの価値をそのまま反映した価格だと思わないほうがいいと思う。
結論として、2万4800円でもなお安いのではないかと感じている。
ふるさと納税を実質金利30%の定期預金化する活用法【デメリット4つ】
今回は、ふるさと納税の超手軽なお得活用法を紹介する。
面倒そうだし怖い気もする税金の制度だが、全然怖くないから安心してほしい。
もちろん、公平を期すため、きちんとデメリットも検討した。
目次
1 超低金利時代の超お得な制度
ふるさと納税。やった人は誰もが「得だ」と断言している。
が、やったことがない人にはハードルが高そうに見えるのも事実。
「そこまでしなくていいや。まあ、正直そこまで困っているわけでもないし。」
その気持ちも分かる。いま使ってないけど困ってないし、今後も、使わなくても困ることはない。
ただ、ふるさと納税は、「手続をすればほぼノーリスクでかなりの得ができる制度」なのだ。
得の度合いは使い方次第だが、大して工夫しなくても、年利30%相当の利息がもらえて元本も1年半で返ってくる定期預金と同等にできる。
手続をする手間は大したことがないし、勉強にもなる。そして、使い慣れればさらに早くなる。
ふるさと納税は、この超低金利時代で最もお得な公的制度の一つだといっていいと思う。
2 ふるさと納税制度の概要
寄付したお金は返ってくる
ふるさと納税は、自分の住んでいない自治体に寄付したお金が、「所得税の還付」ないし「住民税の減額」の形で返ってくる制度だ。
基本的には、翌年の6月から翌々年の5月までの1年間、住民税が減額される形で返ってくる。ふだんサラリーマンであれば、住民税は給料から源泉徴収されているから、住民税が安くなれば、給料の手取り額がその分上がる。
所得税の還付の形で返ってくるのは、確定申告をした場合で、寄付したお金の所得税率分(多くは1~3割)だ。残りの7~9割は、やはり住民税の減額の形で帰ってくる。
手軽な「ワンストップ特例」を使う場合は、全額住民税の減額の形で返ってくる。が、確定申告も一度分かれば全然難しくないし、「ワンストップ特例」は寄付先の数が限られるから、確定申告するのがオススメだ。
差し引かれるのは2000円だけ
誤解が生じやすくてハードルになっている点の一つが、「2000円引かれる」という部分だ。「1回寄付するごとに2000円引かれるんじゃないか」と誤解されがちらしい。
誤解を解くには返金額を説明すれば分かりやすい。
返金額は、「寄付総額-2000円」だ。
例えば、6か所の自治体に、1万円ずつ寄付したとすると、寄付総額は6万円。
返金額は、5万8000円だ。
「(1万円-2000円)×6=4万8000円なんじゃないの?」と誤解しないでほしい。
返金額には年収等に応じた上限がある
なお、いくら寄付しても全額(-2000円)返ってくるわけではない。自分の年収と家族の状況や他の節税制度の利用状況次第で上限が決まってくる。
下記の総務省のサイトを参照して上限を厳密に調べることもできるし、私はそうしている。
だが、さすがにちょっと面倒だ。
なので、ふるさと納税のポータルサイト(楽天ふるさと納税、さとふる、ふるさとチョイス、ふるなび等)で、上限額を調べるシミュレーションをして、そこで出た数字より少し少なめに寄付をするのがオススメだ。
なお、医療費控除など、節税制度を使っている分だけ、上限が下がるという関係は覚えておこう。これらの制度をたくさん使っている自覚があるなら、寄付額はシミュレーションより相当少なめにすると安全だ。
寄付額に応じた返礼品がもらえる
上記した寄付金の返金とは別に、返礼品がもらえる。
つまり、返礼品の価値が2000円を超えるなら、純粋にお得だ。
「返礼品を2000円で買う制度」だと理解してもいい。
例えば1万円寄付すると、だいたい2000~3000円相当の返礼品がもらえる(これを「還元率20~30%」などと言ったりする。)。
つまり、概ね総額1万円以上寄付するのなら、ふるさと納税は純粋にお得な制度だといえる。
なお、還元率の上限は30%と総務省が決めているようだが、もっと価値の高い返礼品を出している自治体も探せばあるという話も聞く。真偽は不明だ。
ポータルサイトごとにさらに特典がある
ふるさと納税のポータルサイトは、自分のサイトを通じてふるさと納税をしてもらって自治体から手数料収入を稼ぐため、納税者に様々な独自の特典を用意している。
楽天ふるさと納税なら、楽天市場での通常の買い物と同様の楽天スーパーポイントがもらえるし、5と10の付く日のポイントアップや、ショップ買い回りなどのポイントアップキャンぺーンも利用できる。期間限定ポイントでふるさと納税をすることもでき、ポイントの通貨代替性が高く、基本的に一番オススメだ。
ふるなび、さとふる、ふるさとチョイス、auPAYマーケットふるさと納税なども、アマゾン商品券などと絡めた様々なキャンペーンをしていたり、Pontaポイントで納税できたりする。自治体と提携して独自の返礼品を用意しているサイトもあるので、いろいろ楽しんでみるといいだろう。
基本的にはどこを選んでもよく、さらに得をする度合いが少し違うだけだといえる。
3 「年利30%、1年間かけて払い戻される定期預金」にする使い方
返礼品の選び方は自由だが、私は基本的に次の4点で決めている。
① 生活必需品を選ぶ(米、鶏肉など)
② 普段スーパーで買うものと同程度の品質のものにする
③ ふるさと納税ポータルサイトのランキングを大いに参考にする
④ 送られる時期を調節して適時に適量が届くようにする
順にみていこう。
① 生活必需品を選ぶ(米、鶏肉など)
今後1年間に必ず買う生活必需品を選ぶことで、「必ず使うはずだったお金がその分確実に浮く」。
買わなそうなものをこの機会に選ぶという使い方ももちろんある。だが、それだと無駄になる可能性も相当ある。生活必需品なら、その心配がない。お金をもらうことと実質的に変わらなくなる。
「還元率(返礼率)」を追求すべしというようなサイトもあるが、私は賛同しない。いくら実質還元率60%(1万円の寄付で6000円相当のものがもらえる)としても、普段買わなそうなものなら無駄な買い物であり、普段買う還元率30%の返礼品をもらう機会の損失だ。
ちなみに、私は潰瘍性大腸炎のため基本的に牛肉を食べないし、もし食べられるとしても特別な日でない限り安い輸入牛でいいという考え方だから、ポータルサイトの特別な契約で特に還元率が高く設定されている代わりに品目の種類が国産牛肉やホタテなどに限られる「ふるさと応援特別キャンペーン」のようなものも全然使わない。
② 普段スーパーで買うものと同程度の品質のものにする
これも上記①と同じ意味だ。無駄に高級なものにせず、コスパのいいものにする。要するに、お金をもらうのと価値的に変わらないようにすることに徹する。
③ ふるさと納税ポータルサイトのランキングを大いに参考にする
これはどういう意味かというと、みんな基本的にコスパのいいものを欲しがるので、品目ごとのランキングの上位には、コスパのいい、スーパー品質と同程度又はちょっと低いものが並ぶことが多い。
そうでない場合もあるが、初心者はランキングを参考にしつつ、分量と金額を比較する方法で十分だ。
なお、各返礼品のレビューはほとんど主観的なものばかりなので、それほど参考にならない。ひどいレビューのお米でも、十分おいしかったことがあるが、私はレビューを書いたことがない。
④ 送られる時期を調節して適時に適量が届くようにする
返礼品が送られる時期を選べるかどうかは気にしよう。
米が家に同時に40kgあっても食べきれないし、さすがに保管に場所をとる。
冷凍の鶏むね肉も8kg程度なら冷凍庫に入るが、20kgだと入りきれず、不自然に食べすぎたり、処分したりする羽目になる。
「得をするために無理をしない」ことが私の信条であり、自然に生活する中で無理せず得をしたい。
そのためには、多少還元率を犠牲にしてでも、送られる時期を調節して、適時に適量が届くようにする。送られる時期を調節できる返礼品はそれほど多くなく、だいたい近め(繁忙期の12月でも2か月以内)に発送する予定になっているものが多いので注意だ。
私は、返礼品ごとに少しずつ発送時期をずらすことで、1年中、ほぼ間断なくお米が届くように設定してある。保育園児の息子が2人いてお米は大量に消費するが、昨年のふるさと納税のおかげで、今年はたぶんほとんどお米を買う必要がない。なお、昨年も、一昨年のふるさと納税のおかげで、お米を買ったのは繋ぎの2回程度で足りた。
私のふるさと納税(お米)の返礼品の選定例(令和2年分)
令和3年1月上旬 三重県明和町のお米 20kg(1.6万円)
1月下旬 佐賀県みやき町のお米 12kg(1万円、Pontaポイントで寄付)
2月中旬 熊本県高森町のお米 13kg(1万円)
5月下旬 茨城県境町のお米 20kg(1.6万円)
6月下旬 茨城県境町のお米 20kg(1.6万円)
※佐賀県みやき町以外は楽天ふるさと納税で平均14%の楽天ポイントが別途還元
ふるさと納税をする時期
ふるさと納税をする時期は、毎年12月の月給の後にしている。
その年の大まかな年収が分かり、上限額が計算できるからだ。
職場によっては、12月中に年末調整の結果を記した帳票や源泉徴収票がもらえるから、可能であればそれを見るのがより正確だ。
CMでいわれているとおり締め切りは12月31日だから、その時期にふるさと納税している人が多いだろう。
もっとも、前年の年収を参照すれば、だいたいどの程度が上限か分かるから、失職する危険がない限り、年初や途中でも、少額ならふるさと納税を利用して全然かまわないと思う。
寄付の証明書類は絶対になくさないこと
寄付の後数週間以内に自治体から送られてくる寄付の証明書類は、必ず保管しておくことだ。これは寄付金の返金を受けるために必要不可欠だから、絶対に忘れてはいけない。
実質的に「年利30%、半年後から1年半後の間に順次払い戻される定期預金」を達成する
このような使い方で、価値的に見れば、年利30%の1年定期預金と同じようなものになる。
例えば、12月に10万円を寄付したら、
ワンストップ特例を使う場合、半年後の6月から1年半後の5月までの間に、住民税が9万8000円安くなり、その分給料の手取り額に上乗せされて返ってくる。
確定申告の場合、所得税率15%であれば、申告後の4月か5月に約1万5000円が所得税還付金として、申告時に指定した口座に振り込まれる。加えて、6月から次の5月までの間に、住民税が約8万3000円安くなり、その分給料の手取り額に上乗せされて返ってくる。
さらに、生活必需品が約3万円分もらえる。つまり、1年半で、自分の手元に2万8000円多く残すことができる。
(10万円 → 12万8000円)
なお、楽天ふるさと納税をうまく使って例えば14%のポイント還元を別途受けるなら、1万4000円分のポイントもさらにもらえる。
(10万円 → 14万2000円)
4 ふるさと納税のデメリット
ふるさと納税制度にもデメリットはある。私は上に詳述したメリットのほうがはるかに大きいと思うし、時間給のサラリーマンにとってはほぼ共通してそう言えると思うが、一応留意しておこう。
なお、「使い方が分かりにくい」などはただの使う前のハードルであって、使った上でのデメリットではない。
使った上でのデメリットは、次の4つだと思う。
寄付したお金の流動性がなくなる
寄付したお金が戻ってくるのは翌年6月~翌々年5月だ。
例えば10万円寄付したら、すぐにその10万円を使うことはできなくなる。手元資金がごく少ない人や、借金をしている人にはおススメできないということになる。
余談だが、借金している人は、よほど計画的にレバレッジをかけているとかでない限り、ふるさと納税などするよりもさっさと返済して、余計な利息の支払をやめたほうがいい。
お金の戻り方が給料の形
これはコッソリ節税したいサラリーマンにとっては由々しき問題になりうる。
自分のお小遣いやへそくりからふるさと納税したら、住民税減額による返金分が給料に上乗せされてしまい、配偶者に給料が増えたと勘違いされ、お小遣いは増えないとか、家に入れるお金を多く要求されるとかで、家計としては得でも、家庭内の力関係次第では個人として損する結果になる。制度を説明しても(事前に説明しておいても)、制度が複雑に見えることと、家計の問題は感情的になりやすいこととが相まって、聞く耳を持たれないなんてことがある。
是非気を付けよう。
返礼品の品質が分かりにくい
返礼品のレビューは、全然ないか大量にあるという両極端なことが多く、大量にあるものでは上位のレビューにこれまた両極端な主観的感想が載っているのが通常だ。ほとんど役に立たないことが多い。
幸い、日本の自治体の返礼品なので、期待しすぎなければ、よほどのことがない限り普通に賞味できると思う。そもそも、超低金利時代に、おおかた10万円前後の元手で破格の利息を得ましょうというみみっちい制度なのだから、あまり細かいことは気にしないことだ。
返礼品の選定や確定申告などの手間
経営者や個人事業主と違い、時間給のサラリーマンにとっては、収入を自分の選択で増やすことが難しい。そういう人間なら、基本的に、出ていくお金を削るのが合理的だし、収入が発生しない時間に手続をすればお金が増えるというのなら、手間を惜しまず手続をしたほうがいい。
サラリーマン世帯の奥さんが、10円の価格差を削るためにガソリン代を気にせず車でスーパーをはしごする笑い話があるが、交通手段が自転車や徒歩であれば、やろうとしている方向性自体は間違っていないのだ。ただ、そんなことをするなら、ふるさと納税をするほうが効果が大きくて合理的だということだ。
返礼品選択の手間は、基本的にランキングを参考にできるからかなり省力化できることは前述した。
また、確定申告は、現代日本に生きる社会人の租税リテラシーを高めるのに打ってつけの手続であり、早くやってみることを勧める。ちょっと面倒だが、盲目的に源泉徴収されることに安住しないで、世の中の仕組みを早く知ったほうがいいと思う。「どういう人の税金を意図的に安くしているか」から、国の政策方針の根幹が見えるし、関係業界団体の政治的交渉力が垣間見える。ふるさと納税だけなら超簡単に確定申告できる枠組みになっているので、活用しよう。
なお、個人事業主は、確定申告がもともと必須だが、返礼品の選定に手間をかけるくらいならその時間をさらに事業に充てて収入を増やすという選択肢があるので、その選択の問題になる。もっとも、返礼品の選定はランキングを参考にすればたいして手間ではないし、手の空いている人に頼んでもいいだろう。
結局、このデメリットが大きくなるのは、そもそも手間をかけるべきほどの効果が得られない人、つまり寄付金額の上限がかなり低い人だということになる。自己負担の2000円で大した返礼品がもらえない人と言い換えることもできる。
5 まとめ
このように、ふるさと納税は、うまく使えば実質年利30%の金融商品と同等になる。
デメリットはあるものの、どれも大したものではない。
令和2年分のふるさと納税が終わったばかりで、令和3年分のふるさと納税は始まったばかりだが、この記事を参考にして、今後大いに活用する読者が現れることを願う。
大川慎太郎『証言 羽生世代』(講談社現代新書)は将棋ファン必読の書だ
目次
1 私と将棋
私はいわゆる「観る将」だ。
プロ棋士が将棋を指したり解説したりしているのを見るのが好きな将棋ファンだ。
自分で指していたのはほぼ小学生までで、その後は、20代の2年間の出向時代に当時の同僚と少し指した程度である。
地元の将棋大会で銀賞を取ったこともあったが、おそらく棋力はアマ初段~2段程度である。
これくらいの棋力の人は皆、プロ棋士たちのあまりの偉大さに、大いなる尊敬の念を持っていると思う。
私はそれなりに良い学歴を持っているという自覚がある。しかし、自分が才能的に優れていると思ったことがないのは、もちろん周囲に自分より優秀な人がたくさんいるというのもあるが、もっと根本的には、本当の天才であるプロ棋士の人たちの頭脳に比べれば雲泥の差があるという実感があるからだ。
2 私と羽生世代
私は誕生日が渡辺明名人と1か月違いだから渡辺名人も応援しているが、特に羽生世代の棋士たちが大好きで、羽生善治九段の一般向け書籍はほとんど全部読んでいると思うし、数冊は今でも蔵書している。一般には新書の『決断力』(角川oneテーマ21)が売れているが、私は『羽生善治の思考』(ぴあ)が好きだ。東急将棋まつりで羽生九段を生で見たときは本当に感動した。後光が差して見えた。
森内俊之九段の本も読んだし、YouTubeの森内チャンネルも全部見ている。佐藤康光九段の本も読んだ。先崎学九段の『うつ病九段』(文藝春秋)も漫画で読んだ。
ついでに、将棋ペンクラブログの記事も、羽生世代のものはかなり目を通していると思う。特に郷田真隆九段のエピソードがカッコよくて好きだ。他にも、藤井猛九段、丸山忠久九段と、挙げればきりがない。
そんな私が表題の本を読んでも、冷静な書評などできるわけもない。だから、これは書評ではなく、ただの私の感想である。
3 よくぞまとめてくれた
本日読了した感想は、「よくぞまとめてくれた」。これに尽きる。
著者・大川慎太郎さんについて
著者大川さんの前著『不屈の棋士』(講談社現代新書)も読んだが、大川さんはファンが棋士に聞きたいけど聞きにくいことを、棋士への礼を失しないようにしつつ、よく踏み込んでくれる。
だから今回も発売前から期待していた。テーマが大好物だから誰の著作でも読んだだろうけれども、大川さんということで期待値が上がっていたところ、その期待に見事に応えてくれた。
マニア垂涎の人選と取材内容
羽生世代の取材でよく挙がる羽生九段、森内九段、佐藤康光九段や、藤井システムの藤井猛九段、羽生世代に対峙した棋士としてよく挙がる谷川浩司九段、渡辺名人、有名な島研の島朗九段の取材記事を改めて読めることももちろん嬉しい。
けれども、私のようなマニアにとっては、棋士の誰に聞いても研究会の名前が挙がる室岡克彦七段や、同じ羽生世代の超強豪の一人なのになぜか取材記事が多くない郷田九段の記事を読める喜びが大きかった。
予想はしていたが、郷田九段の記事はやはりカッコよかった。佐藤康光九段の記事にも同じようなエピソードがあるが、若いころ将棋以外何もしないというレベルで死ぬほど努力したエピソードが私は好きだ。将棋界にとっては、AIとの共存を余儀なくされる難しい時代だが、天才が純粋にその道一筋で努力精進できる、そういう尊いことを経済的、社会的に可能にするプロ棋士の制度を今後も長期的に存続できるよう、しっかりマネタイズしておいてほしいと思う。
郷田九段が実は勝負弱いことを自覚されているというのも興味深かった。ファンからすれば、一度でいいから名人になるチャンスを活かしてほしかったし、郷田九段が挑戦者決定戦まで行きながら惜敗されるのを何度も見て、悔しい思いをしてきた。そこについてご本人から言及があるとは思わなかった。先述したカッコよさも含め、気になる人は是非買って読んでほしい。
欲を言えば、羽生世代の丸山九段や、少し下の世代の三浦弘行九段の取材記事も読みたかったし、やはり羽生世代といえる故村山聖九段のエピソードがもう少し聞きたかった気もする。が、飯塚祐紀七段の記事も何気によくて、取材対象の選定への思慮を感じたし、あとがきで木村一基九段の話も出てきたし、これ以上望むのは我儘だろう。
4 本書の主題についての私なりの考察
本書の主題は、「羽生世代になぜこれほどの強豪棋士が揃ったのか」。羽生さんしか知らない人はWikipediaにでも当たってほしいが、まさに奇跡の世代といっていい。
主題だけあって、大川さんは取材したすべての棋士にこの質問をぶつけていた。そもそも子どもが多かった、若き谷川九段の活躍が子どもたちのプロ将棋界への敷居を低くしていた、他の娯楽が少なかった、など、様々な回答が試みられる。が、多くの回答は、どうも羽生世代の下に大きな「谷間の世代」があることとの差異をあまり説明できていないような気もした。やはり、佐藤康光九段、森内九段、郷田九段が言うように、同世代である「羽生九段の存在」が一番大きかったのではないかと思う。圧倒的な活躍、技術の開示、努力の継続、自然で謙虚な振る舞い・・・これらをすべて兼ね備えた羽生九段が将棋界を引っ張ってくれたことが、羽生世代ひいては将棋界にとって一番の幸運だったのではないかと思った。
もっとも、何が真の正解かを科学的に導くのが本書の目的ではない。そういったファンの関心の高いテーマを通じつつ、羽生世代を取り巻く棋士たちの魅力的な姿を描こうとしたのだと思う。そして、その試みは見事に成功していた。
この本は、全将棋ファン必読の書だと言いたい。藤井聡太二冠の活躍を機に将棋ファンになった方にとっても、先駆者・羽生善治九段と羽生世代の棋士たち、そしてそれを取り巻く他の棋士たちが、魅力的な将棋界を作り上げていたことが分かって有用だろう。たぶん。
5 将棋界の今後への雑感
今後、AIとの共存を余儀なくされる将棋界は、AIが示す「正解」の存在を常に意識しなくてはならない状況になった。そのような中で、プロ棋士の個性が見えにくくなったような気もしている。
藤井聡太二冠とライバル候補たち
藤井聡太二冠は、久しぶりに現れたスーパースターで、人格的にも羽生九段の後継者として申し分ない振る舞いを見せてくれている。また、PCや将棋ソフトにも詳しく、いわゆるブラックボックスであるAIの読み筋や評価値の理由を自分なりに考え抜いて棋力を高めていくという、時代に即した新たなプロ棋士のスタイルを身に付けており、18歳にして既に死角がない。だが、藤井聡太二冠に対抗し得る別のスタイルを搭載したライバルが見当たりにくいのが気がかりだ。
渡辺名人は、ご本人も述べるとおり年齢が離れすぎているかもしれない。しかし、ご本人が昨年の棋聖戦で実感したという終盤力の差はともかくとして、才能的には一番互角に戦える人だと思うので、しばらくは立ちはだかってほしい。年齢的に休養が重要になってくるのは同い年なので承知しているが、1回目の緊急事態宣言下では対局がないのでゆっくり休んだという渡辺名人に、是非さらに本気で将棋に打ち込んでみていただきたいというのがファン的な希望だ。
永瀬拓矢王座は、人間同士のVS研究を重視するアナログ派で、壮絶な努力を積み重ねる古いタイプの棋士であり、スタイル的には藤井二冠と対照的だ。しかし、いかんせんご本人が謙虚すぎて、藤井二冠を崇めるかのような姿勢を藤井二冠にもファンにもあからさまに見せているのがファン的にちょっと残念に感じる。藤井二冠との研究VSでよほど力の差を感じているのかもしれない。が、羽生九段に果敢に挑み、名言を残している深浦康市九段、行方尚史九段のような骨っぽさが欲しいし、森内九段のように、羽生九段との力の差を内心感じつつも、付かず離れずの距離感を保ち、対羽生戦に特化した準備をして対戦成績的に好勝負を展開したのを、藤井二冠相手に再現してくれればと願う。
豊島将之竜王は、対藤井二冠戦でいまだ無敗であり、謙虚な発言をしつつも簡単にはやられないぞという自負も感じるし、電王戦でAIに勝利しつつ、AIを使った研究を早期に始めたその道の第一人者であり、VSを再開するという話もあるし、期待したいところだ。昨年の羽生九段との竜王戦では、体調を崩した羽生九段との手紙のやり取りのエピソードなどで、人格的にも優れたところを示した。ただ、羽生世代好きとしては、やはり豊島竜王の序盤の進め方というか、研究合戦の申し子みたいなところにまだ抵抗感があるといえばあるのだが、それはこちらの慣れの問題なのだろう。
ファンが棋士に期待すべきことが変わってきたか
いずれにしても、私たち「観る将」のほうも、AIの存在によるプロ棋士同士の対局の見方や、プロ棋士への期待を、変えていかなければならない面があるのだと思う。
昔のように、「自分こそ誰よりも将棋を、あるいはこの戦法を勉強しているのだ、だから誰にも負けぬ!」といった気骨ある姿を期待するのは難しくなったのだろうと思う。どこまで行ってもAIのほうが強いのだ。そして、AIが示す最善手を高確率で指し続けられる棋士が人間の中で最も強く、そういったことを踏まえたレーティングで自分の立ち位置が客観的に分かってしまう。独自路線は、低い評価値とセットの、自虐交じりの選択肢になりかねない。個性を出すことは自殺行為になりかねない。
そのようなプロ棋士の立場を理解しつつ観戦する。昔のように楽しむにはどうすればいいのか。
ともあれ、つくづく、自分はいい時代に羽生世代という奇跡の世代の激闘を見ることができて、幸せだったと思う。
勉強のメリット・デメリットを整理する【メリットが大だ】
先日、やる気の出し方について下の記事を書いたところ、それなりの反響をいただいた。
要約すると、「意志の力に頼らず、実行すべきことを特定して、自分を実行させるための環境や報酬設定などの仕組み作りをしよう」という内容である。
もっとも、そもそも勉強する必要性を感じない人は、そのような取り組みさえする気が起きないだろう。
そこで、勉強をすることのメリットとデメリットを大雑把に整理したい。
目次
- 1 勉強のメリット
- 地頭がよくなる
- 物事を正確に理解できる力がつく
- 成長を実感できる
- 自信が付く
- 勉強が苦でなくなる
- 2 勉強のデメリット
- 時間を取られる
- 疲れる
- 調子に乗ってしまう
- モテにくい
- 3 まとめ